皆さんは先祖探しをしようと思ったきっかけはどんな感じでしょうか?

 

肉親の死

逆に子どもが生まれた

歴史好きの延長線上

テレビの影響

 

様々あると思いますが、動機は人それぞれだと思います。

 

しかし、未経験者の場合はどのようにすればいいいのか?どこがゴールなのか?が曖昧なまま進められている場合も多いと思います。

 

ここではどのような手順を踏んでいけばいいかを説明します。

 

初級編

まずは、自分の調べたい家の先祖について調べることからです。

 

1番目として

まずは戸籍謄本を取得することが重要になってきます。

 

戸籍謄本は

①直接本籍地の役場に行く(メリット:早く取得できる デメリット:遠い場合は困難、役場で待たされる場合多い)

 

②郵送請求(メリット:直接行かなくていいので時短に繋がる デメリット:小為替購入が手間)

 

③広域請求(メリット:本籍が色々ある時に便利 デメリット:不慣れな場合も多く入手できるのに出来ない場合もあるかも)

 

戸籍・除籍謄本入手

 

戸籍謄本(除籍謄本)の郵送請求

 

最初に遡れるまで遡っていくことが重要です。

 

古いものが残っていれば明治19年当時の戸籍も入手できます、そうなるとそこに記載されている方の中には江戸時代末期に生まれた先祖が記載されています。

 

中には寛政年間(1700年代)に生まれたご先祖様の記録が記載されているかもしれません!!

 

この時点で簡単でいいので家系図を作成します。

 

家系図は手書きでもいいですし、エクセルなどを使用してもいいです。

 

この最初の家系図が次のステップで重要になります

 

2番目として

最初は肉親(両親、祖父母、親戚)に家の事や先祖の事をきいてみましょう。

 

この時に最初に作成した家系図が意味を持ってきます。

 

肉親に聞く時に家系図あるのと無いのとでは大きな差がになってきます。

 

よくあるのが、●●のおじさんというのがいるが実は曽祖父の義理の弟だったとか、●●のおばさん戸籍では高祖父の娘になっているが実際には曽祖父の長女だあったとか。

 

これらも家系図があれば肉親たちも説明しやすいですが、なにも無ければ一般的な話で終わるか、「家にはだいそれた話はない」で終わります。

 

しかし、ちょとした家系図があるだけで話の展開が変わってきますので、一旦は戸籍から家系図作成→親族から先祖の話聞く という流れがいいと思います。

 

中級編

初級編として戸籍入手と親族の話聞くだけでも、ある程度は自分の調べたい家や先祖ことが判明します。

 

ここからは中級編になります。

なぜ中級編になるかと言いますと、自分一人では完結しなくなるからです。

 

そこには、親戚の協力やいままで行ったことの無い場所へのアプローチなど心理的ハードルが高くなることも事実としてあります。

 

しかし、この中級までは多くの方が実際に行動を起こして大きな成果を出していることも事実です。

 

3番目として

位牌、遺影、お墓、過去帳の確認になります。

 

上記の確認を行うにはどうしても親戚の家(自分の家でないところ)に伺わないといけません。

 

両親、祖父母、伯父、伯母に紹介をしてもらう事や、全くの遠戚の場合は手紙を自ら書いて誠意をみせることが重要になってきます。

 

しかし、ここで親戚の家に伺うことが出来るとその情報量は膨大になります。

 

位牌:1800年代(江戸時代)に亡くなったご先祖様の位牌もある、うまくいけば1700年代も案外残っている。

 

1800年代の位牌は残っている家が多い。

天明九年(1789)と1700年代の位牌も家によっては残っていることもある。

 

お墓も同様に発見できれば大きな収穫になります。

 

位牌の場合は断絶している場合などは散逸している事の方が多いですが、お墓は石ですので、分家筋が大切に祀っていたり、祀っていなくても場所は知っているということもあります。

 

1700年代の墓もきちんと残ってる場合がある。

 

例え断絶しても、墓石だけは残っているケースもある。

 

お墓の場合は一か所だけではなく数か所ある場合も想定しておいてください。

江戸時代といってもいまから200~300年前ですので、村の中で引っ越していることもあります。

 

また、墓の文字はすぐには読めないこともります。

何時間もかけて読めた、1回目は読めなかったが2回目行った時には季節や日の当たり具合がドンピシャで読めたと場合も多いです。

 

ということで、親戚に墓の場所を確認(数か所あるかも)その後1人で墓石調査を実施 のほうが気も楽です。

 

過去帳や遺影に関しては自宅にありますので、写真を撮らしていただく。

 

仏壇にあるのでそこまでスムーズに行く方法としては、「志」を持っていき仏壇に供えるタイミングで位牌や過去帳、遺影が無いか確認して写真を撮る方法がベストです。

 

ここで重要なのは墓以外の位牌、過去帳、遺影などは自宅の中にあるので、一回勝負になる可能性が高いということです。

 

そう何回もご自宅に行き写真を撮らせていただくことも出来ませんので、一発勝負として臨んでください。

 

①位牌は表裏かもしれないので1枚1枚表裏写真撮る(たとえ裏が何も記載されていなくても撮る)

 

②過去帳も同様に撮る、江戸時代の文字は読めないので拡大してその部分だけ撮るのも必要(後日解読するのに)

 

③遺影は光の加減で乱反射することもあるので角度変えたり、遠くからズームで撮るとか工夫する

 

④緊張すると手ブレするので何枚でもいいので同じ写真を撮る

 

⑤スマホで撮る場合は充電無くなるため、予備のバッテリーは必須

 

位牌、過去帳、墓石の重要性

 

後日墓石調査を行う時にどうしても読めない場合は拓本も1つの方法になります。

 

しかし、これは親戚の許可も必要になるので必ず承諾を得ましょう

 

 

【墓石】拓本の取り方【方法】

 

また最近ではスマホで光拓本というのもあります。

 

【古墓】ひかり拓本【解読】

 

ここまでで

戸籍 位牌 墓石 過去帳 遺影 親族からの情報 が揃います

 

一旦家系図の見直し、上記から得られた情報のデータベース化、その家の資料作成を行ってみましょう。

 

これだけでも相当濃密な家系調査報告書になります。

 

重要なのはその家に伺わせていただき自宅に上がらせてもらうことです。

そこは誠意が必要です。

 

①誠意のある手紙を書いてご理解していただく。

 

②志を必ず仏壇に供える。

 

③調べた暁には資料を纏めて伺った家に送付する。

 

遠戚へのアプローチ(手紙の書き方と伺い方)

 

 

4番目として

行政へのアプローチを行います。

 

具体的には

①法務局へ行き旧土地台帳を入手。

 

②先祖が戦争に行っている場合は兵籍簿(軍歴証明書)の入手(陸軍は県庁 海軍は厚生労働省)

 

旧土地台帳に関しては、先祖を遡れる可能性は低いですが、明治中期頃にどのくらいの土地を持っていたか?村の規模からすればその家の所得はどのくらいなのか? が判明します。

 

兵籍簿(軍歴証明書)に関しては、一人の先祖を深掘りするにはとても必要な書類になります。

祖父や曽祖父がどこに行って戦ったのか?

その戦いはどのようなものだったのか?

戦死した場合はどの辺りだったのか?

 

先祖探しもですが、日本の歴史という観点からも必要になってくるのではないでしょうか?

 

旧土地台帳の調査

 

軍歴証明書からの調査

 

上級編

5番目として

最後のミッションであるお寺の過去帳の確認になります。

 

お寺の過去帳ですが、自宅の位牌、過去帳と被っていることもありますが、多くの情報量を秘めている可能性もあります。

 

具体的には

①家では不明だった先祖のことが分かる。

 

②続柄、享年など位牌、墓石、過去帳に記されていなかった欠落部分が判明する。

 

③自宅の情報とお寺の情報が違う場合もあり新たな発見もある。

 

しかし、お寺の過去帳はそう簡単なことではありません。

まず閲覧は出来ないと考えた方がいいです。

 

こちらで調べた資料を提出しておき空欄を埋めていただく方法が住職もやりやすいと思います。

 

また江戸時代は「屋号」で記されているので「屋号」を知っておくことっは必須になります。

 

屋号 家紋について

 

寺の過去帳について

 

このような資料を作成してから住職が調べやすいようにすることが重要。

●●家の先祖を調べてくださいと言っても住職側でも出来ない。

 

また、江戸時代の過去帳の文字は達筆すぎて住職が読めないという問題も実はあります。

 

しかし、お寺の過去帳の情報が得られればそこが先祖探しの最終地点になることは間違いありません。

 

1番目から5番目を進める中で何回も家系図の修正 データベースの修正を行いますが、それこそが先祖探しの醍醐味です。

 

また、由来書も自分で書けばそれは後世に残せる最大の宝になるのではないでしょうk?

 

由来書は何のために書くか?

 

番外編

ここからは先祖探しを肉厚にする番外遍です

 

6番目として

宗門人別帳を探すということがあります。

 

運が良ければ庄屋の家や県立文書館などに眠っている可能性があります。

 

極稀に市町村史に●●村の宗門人別帳ということで活字化されていることもありますが自分の先祖が記載されていることは極稀です。

 

併せて壬申戸籍の控を保存している場合もありますので、庄屋(戸長)の子孫へのアプローチも行ってみましょう。

 

宗門人別帳や壬申戸籍の調査は砂漠の中で針を探すような事ですが、そのような経験を通じて歴史史料がどこにあるのか?どう保存されてるのか?もしくは保存されていないのか?を勉強することになります。

 

宗門人別帳について

 

 

7番目は

市町村史やその他文献から自分の先祖が記載されていないか確認をします。

 

こちらもそう多くはありませんが、載ってることもあるので細かく見ていきます

 

最近はデジコレで自宅にいながら自分の先祖を調べられる便利な世の中になりました。

 

多くの方がデジコレで自分の先祖が出てきているとの報告も多くあります。

 

市町村史に先祖の記載がないか確認してみる

 

【先祖探し】国立国会図書館デジタルコレクション【情報収集】

 

8番目として

こちらは更に延長線上になりますが、同姓へのアンケートや先祖の家のマッピング調査などがあげられます。

 

同姓調査のアンケートをしてみましょう

 

先祖の実家をマッピングしてみよう

 

直接自分の先祖の話ではありませんが、希少姓の場合などは有効な手段だと考えます。

 

珍しい苗字であるが、同姓が全く違う県に多くある場合はその場所が一族の発祥の地の可能性が高いと思われます。

 

そうなると、苗字の由来や一族の歴史などが詳しく判明することもあるかもしれません。

 

まさに先祖探しの醍醐味に尽きるところです。

 

最後に

最初から徐々に少しずつでも進展していければいいと思います。

 

戸籍だけで良いという方も多くいますし、お寺の過去帳まで調べて多くの情報を得られた方もいます。

 

気持ちもずっとハイテンションでいくはずもなく、モチベーションの上げ下げを通じて少しずつ判明していくものです。

 

そのため、先祖探しはライフワークになる由縁です、何十年後に判明したというケースもあります。

 

先祖探しは、熱して冷ましてを行ったり来たり

 

35年かかって判明した先祖 【5つの段階!!】

 

恐らく、周りに共通の趣味を持つ方はいないと思います、とかく孤独になりがちになりますが、最近では調査の進展や悩み、相談をSNSを通じて発信することで継続されている方も増えてきていいます。

 

先祖探しは「案ずるよりも生むが易し」の精神で、気楽に気長にしていく事をお勧めします。

 

日本中には多くの同好の士がいますのでネットワークを構築してみましょう集合知に勝るものはありません!!!

 

そして、出来れば多系統の家系を調べてみましょう!!

 

【知見】先祖は1系統調査よりも多系統を調査【増加】

 

皆さんの先祖探しが少しでも進展することを祈っています。

 

公開日2025/07/12

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