はじめに
自分のご先祖様の家が浄土真宗の場合は他の宗派と若干違う場合があります。
他の宗派では
◎◎院〇〇□□居士
◎◎=院号
〇〇=道号
□□=戒名
居士=位号
となります。
私の祖父(臨済宗)の戒名は瑞啓院榮穂禪山心澄居士となってました。
曽祖父は閑然良徳居士
高祖父は夏覚明庭居士
江戸時代末期には禅外有定信士
江戸時代中期では雄翁禅定門
となります。
浄土真宗の法名について
さて、浄土真宗の場合は亡くなったら皆、仏になるということで、長い法名(浄土真宗では戒名ではなく法名)はありません。
基本的には
男:釈〇〇
女:釈尼〇〇 尼はある場合と無い場合がある。
となります。
しかし、よくよく確認すると、そうでもないものが散見されます。
明治時代の先祖では信士、信女がついている場合もあります。
具体的に私の先祖では江戸時代から明治時代の先祖で、「釋信樂信士」や「釋尼妙重信女」など信士、信女がついています。
また、祖父は
「浄暁院釈真順」
と院号まであります。
※ただし祖母や叔父は院号なし。
他にもないか確認したら別の叔父の法名で院号がありました。
「願勝院釋法乗」
でした。
推測ですが、お寺に院号をつけてもらうように特別に依頼をして、それなりに「志」を包めば院号もつけていただけれるのだと思います。
浄土真宗でも「信士」「信女」や「院号」もついている。
このように、浄土真宗の法名でもいろんなものがあることが分かります。
因みにお寺の過去帳では「信士」や「信女」の記載はないようです。
※たとえ、自宅の法名に「信士」や「信女」があったとしても。
浄土真宗の位牌について
次に、浄土真宗の場合は位牌が無く、法名軸というものがあるのが一般的ですが、位牌もあります。
一般的にはこのような法名軸というものがあり、仏壇に収められています。
しかし、位牌もあります。
画像は江戸時代の位牌です、かなり古いものもあります。
繰り出し位牌と呼ばれるもので、白木の札に記載されています。
戦後に亡くなった最近の方も同様に白木の札に記載されているものも散見します。
浄土真宗の墓について
やはり、お墓も簡素なものが多いという印象(自然石)でしたが、こちらはその傾向が強いと感じます。
特に江戸時代のお墓に関しては何も彫っていないものが大半ですので、お墓に彫ってある情報から得ようとするのは困難です。
ただし、明治時代になり、分限者の家が後世に先祖のお墓を造り直した場合は江戸時代の年号が記載されているものもあります。
このように、大きめの自然石を置いていたと思われます。
このように、天保年間の墓もあるが、明治以降に子孫が建立したものと思われます。
他の宗派の場合は江戸時代のお墓でも戒名や享年が彫っているものも多い。
このように浄土真宗の場合は他の宗派と若干が違うところがあります。
地域特性として、北陸の石川県、福井県、富山県などは多く、広島県も安芸門徒として有名です。
また、この地方から移り住んだ北海道も比較的多くの浄土真宗の門徒の方が多いと思われます。
【まとめ】
戒名(法名)
浄土真宗は基本3文字であるが院号や位号がつく場合も稀にある。
他の宗派の場合は戒名も6文字以上のものが多い。
位牌(法名軸)
浄土真宗の場合は法名軸に先祖の法名を記載したものを仏壇に飾っている。
他の宗派の場合は仏壇に位牌が収められている。
ただし、浄土真宗でも位牌がある場合もある。
お墓
浄土真宗の場合は江戸時代以前のお墓の場合は自然石をお墓にしており、何も彫っていないものがほとんど。
たまに江戸時代以前の年号が彫っている場合もあるが、明治以降に子孫が建立されたもの。
他の宗派の場合は江戸時代以前のお墓でもしっかりしたものがあり、戒名や享年が彫ってあるものも多い。
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公開日2020/02/02
更新日2021/08/08