旧土地台帳からの情報
旧土地台帳から得られる情報は、戸籍よりも少ないかもしれませんが以下の情報が得られます。
旧土地台帳は法務局で確認出来るものです。
※一部の法務局では閲覧出来ないところもあります。
法務局にある、旧土地台帳。
では具体的にはどのような事が記載されているか確認すると。
①先祖が住んでいた土地所有者
明治の中頃から昭和30年頃までの所有変遷が分りますので、その中に自分の先祖がいれば、どのような変遷で現在今の土地があるかが判明します。
よくよく確認すると、直系卑属への相続もありますが、逆に、甥への相続や全く違う家へ変更、逆に全く違う家から購入している場合もあります。
親戚に確認したら、どこかの代で大酒飲みがいて、土地を売って酒代にしたため、没落したが、子どもの代が辛苦して買い戻したとか。
※私の先祖にも多くいました。
息子が病弱で家督相続しても家を繋ぐ事が出来ない為、姪の嫁ぎ先の家に所有権移転したり、弟が相続したりしています。
上記の理由から、旧土地台帳を確認する場合はその周りの親戚(せめて苗字のみでも)の把握をしておくことをお勧めします。
苗字をしっていれば、確認している時に「あれこの苗字は親戚にいたかもしれない」と認識して調査対象になるからです。
私の場合は、曾祖父はその叔父から土地の所有権移転をされていました、叔父には息子がいるにも関わらず、甥である曾祖父に土地を渡しておりました、叔父の息子は別の土地に引っ越したようです。
この時に苗字の違うこの叔父が親族ではないと認識したら、全くの他人から土地を買ったということになりますが、苗字の違うこの方が親戚ではないか?という仮説が立てば、全く違う認識になります。
②先祖の持っていた土地所有の大きさが判明する
台帳の先祖の記載があるものを全て複写して、自宅でじっくりと確認します。
そうすると、ある年代当時の土地の面積が判明します。
この場合は直系尊属が基本となりますが、明らかな親族(本家や分家の土地など)があればこちらもメモしておきましょう。
情報が得られたら、データベースにして確認すると以下の事が判明します。
●どの位の土地を所有しているのか?
●田と畑の割合は?所有面積は多いのか?少ないのか?
●所有者の変更がある年代で多いことはないのか?
※多くが売却された時期や購入した時期はないのかが大凡ですが分ります。
更にもう一歩踏み込んでいけば、田畑の面積から当時の収穫量が判明できるのではないでしょうか?
添付のようにその土地をデータベースにすると見えてくる情報もあると思います。
仮に高祖父が明治30年当時に7反の土地を持っていたとしましょう、明治時代には1反=180キロ位だったようですので、7反=1260キロ=21俵となります。
明治30年で米1俵が4.16円とのことですので21俵で約87円です。
現在の価値で1円は2万円のようですので174万円です、174万円がどのような価値か不明ですが、一家が暮らしていける価値だったのだと思います。
10町歩持っていたら、18トン=300俵=1248円=現在の価値で2500万
そうなってくると、どのような生活をしていたかがある程度推測できると思います。
③地租税も判明するのでどの位の税金を納めていたかが判断出来る
この地租圓という部分ですね。
このように、先祖の名前を遡るツールもありますが、それ以上の情報を読み取れることも出来るのが旧土地台帳のいいところです。
【まとめ】
●先祖が住んでいた土地所有者の変遷が分かる、ひょっとしたら戸籍よりも判明することもある。
●先祖の持っていた土地所有の大きさが判明することにより村でどのくらい土地を持っていたかが判明する。
●地租税も判明するのでどの位の税金を納めていたかが判断出来る。