先祖探しの旅10ステップ
先祖探しの旅
①戸籍
②位牌、お墓、過去帳(お寺の過去帳も)
③親戚、遠戚の伝承確認
④旧土地台帳
⑤市町村史の確認
⑥同姓の調査(アンケート)
⑦郷土史家へのアプローチ
⑧室町時代以前の家系図確認
⑨由来書作成
⑩親族への説明と資料配布随時家系図は変更修正。 pic.twitter.com/I55BiVo6U7
— 先祖探し 悠久の時を越えて (@gosenzo2) December 2, 2021
はじめに
先祖探しを始めて最初に何をすればいいか分からない方も多いと思います。
「両親や親戚に話を聞く」とか「お墓を確認してみる」とかが何も知らない場合の一般的なものだと思います。
私も小学生の頃には祖母や親戚の方々に話を聞いたり、お墓に彫っている名前をみたりするだけでした。
それでも自分の曽祖父母までは確実に判明しました、祖父母が健在の場合は自分の両親の名前を孫に教えるだけなので確実に判明します。
しかし、高祖父母(祖父母の祖父母)になると怪しくなります、祖父母も早くに亡くなった自分の祖父母とかの場合は「え~とどういう名前だったっけ?」ということも往々にしてありますので、名前だけで高祖父母の16人を完全に把握することは案外難しいです。
更に、それが養子で来たということになると、難易度は上がります。
ひい爺ちゃんは●●村から養子で来たがその実家はどこか分からなということも、先祖探しあるあるです。
お墓を確認すると、古い家では多くのお墓がありますが、全てのお墓に続柄が彫ってあることも少ないですので、どのような関係が不明なことも多々あります。
ここでは、初心者の方がある程度調査をスムーズに進めていくためのどうすればいいかを、説明します。
①戸籍
戸籍は先祖探しの絶対条件になります。
日本の戸籍システムは先祖をリンクしていますので、遡っていけば江戸時代のご先祖様でも判明することが多いです。
文化、文政、天保などの年号が記載されている戸籍を見ると、渋沢栄一などが生きた時代と同年代のご先祖様がそこに記載されておりその一生がどのような人生であったかが記載されています。
天保や嘉永などの年号が普通に記載されている。
この年代まで遡れば、先祖探しをしている方の年齢にもよりますが、5代前から8代前の先祖までは確実に記載されており、今まで名前も知らない先祖との対面になりっます。
その反面、戸籍特有の問題もあります。
それは、「戦災被災などで古い戸籍がない」「すでに廃棄された」「戸籍の記載が間違っている」ということです。
戦争で戦前の戸籍が焼失しているところもあります、特に都会に関してはその可能性が高く、明治時代のご先祖様が不明ということもあります。
また、都会特有の問題として、この都会に来る前はどこから来たのか?が分からないということもあります。
ここら辺の問題解決は戸籍では難しいので遠戚などからの情報収集が要になってきます。
戸籍の廃棄問題もあります、現在では150年間保存になっていますが、平成22年(2010)以前は80年廃棄でした。
ということは、例えば平成22年(2010)の80年前は1930年で昭和5年になります。
最悪昭和5年以前の除籍謄本は廃棄されており永遠に確認できないというケースになります。
昭和5年は極端な例ですが、明治時代の戸籍は廃棄している自治体も多く存在します。
私の経験では平成5年に取得出来た明治19年戸籍も平成の終わりごろには廃棄されていた事例があります。
なぜこのような事が分かったかというと、先祖探しで遠戚の家に伺い、先方の家に私の持っている戸籍謄本のコピーをお渡ししたところ、自分でも役場に行って交付をされたようです。
しかし、結果的に明治19年戸籍は廃棄されてなかったとのことでした。
次に戸籍の記載が間違っている問題があげられます。
理由は様々だと思います。
●何かしらの理由で親の戸籍ではなく祖父の戸籍に子どもとして記載。
●戸籍吏の聞き間違いで戸籍の記載がおかしい。
●本人が良く覚えておらず誤った情報を登録。
などがあげられます。
私の例では、祖父は高祖父の九男として記載、理由は曽祖父がハワイに移民に行くため、乳飲み子の子どもと一緒に行くことが出来ず、高祖父の九男として記載。
または、祖母の姉にあたる人物も何かしらの理由で高祖父の娘となっておりました。
母に確認すると普通に叔母としての付き合いもあり当たり前の姉妹だったようです。
この長女が戸籍では記載されていない。
しかし、写真で分かるように、写真中央で写っている。
他にも戸籍の年号とお墓に彫ってある死亡年や享年の年号からの逆算で生年がずれている場合もあります。
100%完璧なものではありませんが、それでも約200年前の事実が記載されていることは驚きです。
②位牌、お墓、過去帳(お寺の過去帳も)
戸籍謄本で遡れるのはどんなに古くても1800年代初めまでです。
これ以上は遡ることが出来ません、次に実施することは、三種の神器である、位牌、お墓、過去帳になります。
位牌は先祖の戒名(法名)や亡くなった年、年齢、続柄などが記載されている木の札になります。
古い家になるとこのように多くの位牌が仏壇にあります。
ここで注意することは、遠戚の家に伺った時に、「うちには大したものはないよ」と言われそのまま帰ることです。
この位牌が重要なものなのですが、当主の方はその認識がありませんので、スルーされる可能性が高いです。
このような写真を提示して「仏壇にこのような位牌があると思いますので確認させて頂けませんか?」と確認を行います。
当然、この位牌を見ても関係は理解はできません、全ての位牌を写真に撮って帰ります、手振れや小さな文字などもありますので、沢山の写真を撮って、アップ画像なども撮ることをお勧めします。
帰ってからその画像からデータベースの作成を行います。
お墓に関しては、当主の方も重要だと認識していますので場所の案内をしてくれます。
ここでの注意点は、お墓が数か所にまたがっていないかを確認することです。
江戸時代は長いです、また明治以降ですでに150年以上経過しています、その家の先祖がずっとそこに住んでいるということはありません。
同じ村の中でも移動していることもあります。
私の例では江戸時代末期に火事になり、少し離れた場所に移動した例があります。
また、昔の墓は家の裏にありますが、最近の墓は共同墓地にありますので必ず2か所はあると思ったほうがよいでしょう。
この位の距離が離れていても田舎であれば普通。
新墓でも江戸時代末期まである、ここで油断したらダメ。
実は更に古いお墓があることが後日判明、旧墓は江戸時代中期まで遡ることができた。
当初新墓に案内されたが、立派な墓でしかも昭和に亡くなった方の墓であった。
古い墓が無いかと確認して旧墓に案内された。
この旧墓の敷地がおそらく江戸時代に家があったところだと思います。
●火事で移動した。
●大酒のみで家の財産無くなり移動した。
などが理由としてあげられます。
全ての先祖が隆盛することはありません、上がる時もあれば落ちる時もあります。
先祖が分かるようになる元禄時代からでも300年以上経過していますので、どんな家でも大きな変化があります。
お墓も位牌と同様に、その場ですぐには全ての情報を把握できません、写真に撮ることは重要になってきますが、1つ1つを詳細に確認していく必要があります。
遠戚の当主がいるとなかなか作業にも集中できませんので、後日1人で確認するか、一旦当主と家に戻り再度1人で調査確認する必要があります。
特に古いお墓は摩耗しており、すぐには読めない墓も多くありますが、粘り強く確認することで読めることも多いです。
それでも難しいようであれば、拓本をする方法もありますが、自分の家のお墓以外は必ず該当当主の了承が必要になります。
お墓は数百年でも耐えてありますので、先祖情報が詰まっています。
過去帳も同様に重要なツールになります。
しかし、過去帳が無い家もあると聞きます。
仏壇を確認した時に過去帳があればこれも位牌と同様に写真を撮り後日家で確認をするようにします。
また、浄土真宗では法名軸という過去帳の代わりのものもありますので、それを確認する必要が出てきます。
過去帳。
法名軸。
先祖探しの3種の神器であるこれらを確認してデータベース化するころには、200年以上前のご先祖様だった方も把握出来つつあります。
全て同じ記載がある訳ではありません。
位牌には続柄が記載されていないが、お墓には記載されていたとか、過去帳には俗名が記載されていたなど多いです。
空白があるところを位牌、お墓、過去帳で埋めていくイメージです。
過去帳に関してはもう一つ大きな課題があります。
それは「お寺の過去帳の確認」です。
家にあった情報以外にお寺の過去帳にはもっと古い情報や続柄情報が載っていたりします。
具体的なイメージとしては、家の位牌やお墓の情報では1800年代までしか分からなかったが、お寺の過去帳で1700年代まで分かり更に2世代遡れた。
家の情報からでは続柄が分からずに関係性が不明であった、●●の父だと思っていたが、実は祖父であった。など。
私の経験上では家で判明する先祖の2~3世代前まで分かる感じです。
ただし、大きな問題点があります。
それは、「お寺の過去帳は簡単には確認できない」ということです。
昨今のプライバシー問題が大きくなっている中で、お寺に行って見せてくださいと言ってもほぼ断られます。
それでも情報が絶対に得られないということもありません。
①位牌、お墓、過去帳などからデータベースを作成して分かる範囲で入力。
②お寺へ手紙を書く、その時には何故調べているかを詳細に記載。
③できれば檀家の遠戚の紹介があればよい。
④データベースの中で空欄が不明なのでその部分を調べて頂けないか確認。
⑤当然「志」も必須。
ここまで誠心誠意を尽くしてやっと、お話をさせて頂けるかもしれないという段階になります。
お寺の方では絶対にやらないといけない事案ではありませんので、「出来ない」「やらない」と言われることもありますが、上記の①から⑤までを実施して断られたら次の方法を考えます。
因みに住職が変わったら見せて貰えたということもあります(その逆もあります)
③親戚、遠戚の伝承確認
順番が逆になるかもしれませんが、①と②をやりながら③の伝承確認を行っていきます。
伝承とは面白いもので、話が盛られていることもありますが、全くの嘘ではありませんので、その中の事実を確認していくことになります。
例えば、先祖は大酒のみで明治時代に酒で家を潰したとあったとしましょう。
その時は
●先祖の生没年を記載。
●ガントチャート作成する。
●旧土地台帳の確認で本当に土地を手放しているのか?
●どのくらいの土地をもっていたのか?
このような調査を綿密にすることで新発見もあるかもしれません。
昔はお殿様(お姫様)だったという話も聞きますが、戦国時代にこの辺りの地侍だったかもしれません。
先祖の中には僧侶や住職だったという話が出てくる場合もあります。
これらを伝承の事実確認をすることも先祖探しの醍醐味になりますので、是非ともチャレンジしたい事柄になります。
また、遠戚の家の場合は委任状を頂ければ戸籍の解読から見えてくることもあります。
血のつながりは確認できないが、同族の可能性が高い、しかし分かれたのは明治19年戸籍よりも前かもしれないという場合などは同姓の方の戸籍を確認することで、実は5代前が兄弟であった!!とうことが分かるかもしれません。
これも先祖探しの楽しみです。
④旧土地台帳
旧土地台帳の活用としては以下の方法があります。
①明治19年や31年戸籍が廃棄されておりそこから遡れない場合、旧土地台帳の記載から先祖を遡る。
※旧土地台帳で記載されている方で一番最初に記載されている方は、戸籍で判明している方の父ではないかと考えられます。
②自分の先祖の持っていた土地を全てコピーしてデータベース化する、村の面積も確認して村の中ではどの位の土地を持っていたのかを把握する。
※昔は1町もあれば生活出来ます。
1反=150キロ 大人1人が1年間に消費する量。
1町=1500キロ
当然これらを売って金銭を得ていたものと思われます。
③年代を追うごとにどのように土地を所有していったかを確認する。
※これは明治時代に土地持ちだったのが土地を切り売りして縮小していくパターンと逆に苦労しながらも、親子2代かけて土地を増やしていったパターンもあります。
旧土地台帳では先祖を遡るというよりも、明治時代から戦前位までの先祖の土地所有がどの位であったかを確認する意味合いが強いと感じますが、これらを詳しく調べることで、当時の家の状態が分かります。
また旧土地台帳は明治22年頃からですので、その当時の土地の面積が概ね江戸時代の所有していた土地の面積になってきます。
イメージ図。
⑤市町村史の確認
①から④までで概ね自分の先祖のことは判明します。
だいだい、1700年代から古い家では1600年後期頃に亡くなったご先祖様が判明できることがあります。
当時の人生60年と仮定していけば、1600年代前期から中期頃に生まれた方が一番古い方となります。
しかし、人間とは更に調べていきたいものです、その前はどうであったのか?どこから来たのか?を深堀りしていきたくなります。
そこで、自分の先祖のいた場所の市町村史を確認することになります。
市町村史では大きく2つの方向で読んでいくことになります。
1つ目は、実際の自分の先祖が記載されていないかの確認。
江戸時代の古文書の中に出てくる先祖などがいるかもしれません、明治以降の場合はその可能性が高くなります。
このように自分の先祖にあたる方が出てきます。
2つ目は自分の先祖かは不明であるが、同姓の人物についての確認を行うことです。
具体的には中世の章を確認してその中に自分の先祖と同じ苗字の人物がいないか確認をします。
例えば、中世国衆の家臣一覧表の中に同姓が記載されていることもあります、よくよく読み込んでいくと、国衆の家老であり、●●城の城主であったとか、城主の遠戚関係で自分の先祖と同じ苗字が出てきたなどです。
自分の先祖と断定することは危険ですが、同じ苗字ということもありますので、何かしらの仮説を立てて検証することをお勧めします。
●●城の城主がいた場所と自分の先祖の本籍地が離れていなければ、近世になり、一族が広がっていったとの解釈も可能です。
同姓だけをピックアップしてどの地域に分布しているかを確認することで一族の広がりを研究することも出来ます。
直接の先祖につながることはありませんが、真実に少しでも近づく可能性を探る意味で実行しましょう。
⑥同姓の調査(アンケート)
⑤の同姓の分布が分かれば、実際にアンケートを出してみる方法もやってみると大きな成果が出る場合があります。
私の場合は同県の同姓250軒にアンケート出したことがありました。
結果興味深い事が分かりました。
返信された内容として同じような事は
●先祖は▲▲県から来た。
●戦国時代は城主であった。
●自分が子ども時には昔の刀や鎧が蔵の中にあったがいつの間にか無くなった。
●古い書物があったが爺さん、婆さんが燃やした。
違う内容としては、神社の宮司をしていたなどです。
また、あるAという家の伝承を調べていくと●●村の城主だったという古文書がでてきて、その●●村の家系図を確認すると確かに記載されていたという奇跡的な事例もありました。
左は家系図の一部。嘉右衛門が井長村へ移住したことが分かる。
右は井永村に新屋敷を構えたことが分かる文書で初代が嘉右衛門だと分かる。
この右のアンケートをした家に嘉右衛門よりも前の先祖を家系図として作成して送付したところ大変喜んでいただきました。
アンケート調査でこのような事例を発見してからは、先祖探しをする1つの方法としても有効ではないかと思った次第です。
例えば、自分の先祖の本家を探して伺うとその家には古文書があり●●村から来たと記載。
実際に●●村の同姓の家には家系図があり、そこには先祖の名前が記載されていた。
ということも否定できません。
可能性がある限り様々な事にチャレンジすることが重要だと考えています。
例え自分の先祖との先祖が発見されなくても同姓の調査は興味深いものがあります。
⑦郷土史家へのアプローチ
郷土史家へのアプローチの目的は古い家を知っているので、そこを教えて貰うことになります。
旧家では古文書もありますし、市町村史で記載した原本をもっている方も分かります。
その場所に住んでいないと、どの家が旧家なのか?古い書物をもっているか?、または、村の詳しい伝承などを知っている古老を紹介してもらえるかもしれません。
どのようにすれば郷土史家と繋がれるかは様々ありますが、教育委員会に確認する、公民館などに尋ねてみるなどの方法があります。
私の事例では、教育委員会から郷土史家を紹介していただき、その郷土史家の方から同姓の家の中世活躍した人物の墓や墓石群を教えていただきました。
また、古文書を持っている家も教えていただき後日手紙を書き現物を見せていただきました。
同姓の一族の墓石群。
古文書も拝見させていただいた。
⑧室町時代以前の家系図確認
これは広義の意味での先祖探しになりますので、興味の無い方はスルーしても大丈夫です。
先祖探しとは、下から遡っていく方法①~④と上から下っていく方法⑤~⑦があります。
この下っていく方法の1つのアプローチ方法として考えていただければと思います。
具体的には室町時代までの家系図を確認することになります。
などが有名ですし国立国会図書館デジタルコレクション
で確認することも可能です。
尊卑分脈が室町時代まで記載されているため、空白の200年間(1450~1650)が判明できれば一気に1000年以上判明することになりますが、一般の庶民ではなかなかそこまで判明する家は珍しいと思います。
可能性としては、中世国衆やその縁者だったものが、近世に村の庄屋になり、代々村の長として家運の隆盛に努めて没落せずに現在まで残っている家とか、近世に神主になり、これも代々の当主が地道に家を繋いだ場合などに限られます。
自分に関係ないと思えばそれまでですが、先祖は2乗で増えていきます、様々な先祖の家系を調査確認していくと、中には近世に庄屋だった家や神主や僧侶だった家、などがあるかもしれません。
それらを通じて遡れる家が存在することも否定できません。
⑨由来書作成
①~⑧までできたらその集大成として由来書を作成します。
由来書作成では自分の好きなフォーマットで作成すればいいと思います。
エクセルでデータベースを入力してからシート2枚目から詳細を記載してもよし、ワードで由来書を作成してもよし。
できれば後世に伝えられるものにした方がいいと思われますので、100年後の子孫が分かるように記載することが肝要です。
具体的には古い写真がある場合は原本データと名前を入力したデータを作成しておく。
用語的に難しいものは補足説明を追記しておく。
100年後の子孫が現地に行ってその故地を確認できるように緯度経度を記載しておく。
などです。
この由来書を作成するのは一回で終わりではありません、都度都度見直しを行っていく必要があります。
新しい発見や新しい表現方法がある度に変更できるのがこの由来書の楽しさですし、先祖探しがライフワークになる秘訣です。
一回作成しても、家系図の表現方法をもっと分かりやすいものにしようとか、データベースに数値を入れ込んだらどうか、など年月の経過により進展させていくことが可能です。
⑩親族への説明と資料配布
最期にせっかくここまで先祖探しをして由来書も作成したのであれば、自分の子孫や親族に配布することも視野に入れましょう。
子孫に関しては子どもや孫がいる場合は、紙ベースとデータベースの2つを渡す方法があります。
データのやり取りが簡単です(USBやSDカードなどで渡す)しかし、おそらくこのやり方は次世代に伝えることが難しいと思われます。
何故ならば記憶媒体が日進月歩で進んでおり、10年前のものではハード面で使用できないということが事実としてあります。
この20年という中でもCD DVD ブルーレイ SDカード USBなどに変化しています。
私の前のパソコンではSDカードの差込口がありましたが、今年購入したパソコンではすでにSDカードの挿入口がありませんでした。
つまり、SDカードで保存しているものは将来確認できなくなります。
恐らくUSBも何年後には主流ではないでしょう。
では、クラウドにアップすればいいと思いますが、それも自分1世代では可能ですが子々孫々では難しいと考えます。
年間使用料を支払いってクラウド上に保管しているので、自分が亡くなったら支払いが停止になります。
クラウドの活用はあくまでも自分1代限りの措置ということになります。
ということでやはり数百年の永続を考えた時には紙ベースでの保管が一番になると考えます。
私なりに考えたものは。
●自分が生きてる間はデータで管理。
※当然紙ベースでも持っておく
●データは災害なども考慮してクラウドでも保管しておく。
●数十年後に自分が亡くなった時のことも考えて子孫には紙とデータを渡す。
※データに関してはパソコン(将来それに類似したもの)に保管させる。
●子孫には出来るだけ伝播させたいので孫がいれば孫分に渡す。
※散逸のリスク軽減。
ここは自己満足になりますので自分がどこまでするかになります。
また、自分には子どもや孫がいないという方の場合は甥や姪、もしくは、遠戚の方にお配りするという方法でもいいと思います。
永六輔氏の言葉に
人は二度死ぬ
一度目は生物的に死ぬ時
二度目はその方の事を知っている方が一人もいなくなった時
人は本当に死んだと言えよう
とあります。
仮に自分が亡くなっても自分と同じ遺伝子を継いでいる甥や姪、または遠戚の子孫に由来書をお渡しすることでその家系内で自分の作成した由来書がある限り「この由来書は●●という人物が作成した」と伝わっていきます。
ファミリーヒストリー的に作成したい場合はこちらが参考になります。
【まとめ】
●先祖探しの基本は、戸籍 位牌 お墓 過去帳(お寺の過去帳も含む)となりここでほほ90%は完成する。
●更に深掘りしたい場合は、旧土地台帳 市町村史 尊卑分脈などの家系図を参考にする。
●同姓のアンケートや郷土史家からのご教示などで新しい発見がある場合もある。
●最終的には由来書の作成を行い、子孫や遠戚に配布する。
公開日2021/12/04