はじめに

仏壇の中をしっかり確認したことありますか?金庫が無い時代(今でもある家は少ないかもしれませんが)貴重なものは仏壇の中に納めていました。

 

古い家の仏壇でしたら、先祖代々の色んなものがごっちゃに引き出しの中に入れていることが多いと思います。

 

自宅の仏壇の場合は全ての引き出しを空にして1つ1つ確認することをお勧めします、そしてどのようなものがあるかを確認して再度綺麗にまとめて収納してみるのはどうでしょうか?

 

戸籍謄本

仏壇といえば先祖代々の霊を祀るところです、ということは先祖が亡くなった時に位牌を新調しますが、その時に相続関係で戸籍などを取得することも多いと思います。

 

戦後の戸籍謄本なら案外仏壇の中に保管されているのではないかと思います、特に昭和30年代頃までの戸籍謄本であれば、まだ族称記載がありますので、貴重な戸籍になります。

 

運が良ければ、大正時代などの手書きの戸籍謄本などもあるかもしれません、現在でも役場にいけば同じものが取得できる可能性は高いものの、やはり族称記載の戸籍謄本はレアなものになりますので原本をコピーして尚且つスキャンしデータ化をしておくことをお勧めします。

 

昔の戸籍には族称が記載されていた

【簡単】族称記載塗抹もれ戸籍【見分け方】

 

家系図

もし仮に家系図が仏壇の中にあれば、先祖探しのミッションの50%は完了したことになります、多くの家では家系図が仏壇の中にあることは少ないかもしれませんが、あればラッキーですのでこちらもデータ化します。

 

先ほど50%といいましたが、家系図をよくよく確認してみることが重要になります。

 

具体的には、

先祖の名前(通字はあるか)

妻の実家(村名の記載などがないか)

代数に違和感がないか?(200年で4代しか記載がないなど)

没年や享年に違和感がないか(計算すると親が60歳で子どもが出来ていることや逆に15歳の時の子どもなど)

養子で来ている場合はその当主の実家。

兄弟で相続していることは無いか?(代数の計算が変わってくる)

位牌や過去帳にある人物と整合性があるか?

 

など調べることは多岐に渡ります。家系図があるからといって、それで終わりではありません、実はそこからが先祖探しのディープな世界に入っていくことになります。

 

先祖1人1人の詳細な調査をしていくことでその人物を浮かび上がらせることが出来ればご先祖様も喜ぶと思います。

 

逆に家系図が無い家は自分が詳細な家系図や由来書を作成して仏壇の中に収納しておくことで後世に伝えることもできます。

 

家系図を作成してみよう

家系図の作成方法

 

古文書

古文書が仏壇の中にあるというのはどこまでを指すかで変わってきますが、江戸時代以前のものが該当します。

 

江戸時代の古文書といえば、借用書が多いですが、訴訟関連のものもあったりします、すぐには読めないものが多いかもしれませんが、こちらもデータ化しておけば、後日誰かに解読を依頼して内容が分かることもできます。

 

何が書いているのか全く分からない。

 

解読したもの。

 

現代語訳したもの。

 

このように、古文書があれば、古文書+解読したもの+現代語訳したものを添えて、最終的にこの古文書の解説文を添えて資料にすれば相当貴重な価値ある資料になります。

ただの読めない古文書が先祖の生きた時代の証拠になる貴重な資料になりますし、それを自分の手で実施することに先祖探しの意味があります。

 

手紙、封書

明治以降の手紙になると思いますが、一番多いのは戦時中のものが多いのではないでしょうか?

戦地からの手紙には胸に迫るものがあります、遠く戦地で亡くなった親族の手紙も恐らくその母親や妻が何度も見返した跡があったりするものです、その想いを保存して後世に残していければ、それは家の歴史になります。

 

多いのは祖父の兄弟(曽祖父の兄弟)で若くして戦死した人物の手紙だと思います、結婚しておらず、子どもがいない場合は戸籍に僅かに記載された文字からしかその実在したことは分かりませんが、手紙があるだけで、一気に親近感も増しますし、肉筆からその人柄も想像できます。

 

写真

写真はアルバムに保存なので基本的には無いことが多いですが、葬儀写真や戦争時の軍服での写真などが仏壇内に保存されていることがあるかもしれません。

 

今ならまだ写真に載っている人物が誰なのかが分かる最終チャンスですので、親族に確認しておき、尚且つ家系図を作成して自分との関係図を記していけば、確実に後世に確実なものが残せます。

 

白黒写真をカラー化したもの。

 

先祖の写真は貴重です

 

香典帳

昔の香典帳から遠戚を発見して、その遠戚の自宅に訪問すると、その家に先祖の写真があった。というケースもあります。

特に自分と同姓の苗字とか亡くなった当主妻の実家の苗字の場合、関係が分からないという場合は積極的に調査して遠戚へのアプローチを強く勧めます。

 

理由は自分の家に伝わっていない伝承が実は遠戚の家に伝わっている場合やその家が本家の場合は位牌や過去帳、古い写真などが残っている場合があるからです。

 

 

【失敗回避】遠戚の効果的な手紙の出し方【一発勝負】

手紙は一発勝負になるので、香典帳に遠戚の名前があればそれを根拠に手紙を出したという大義名分にもなります。

 

地券

地主だった家では明治以降の地券が残っている場合があります、地租改正の時に発行されたものです。

 

一般の家でも土地を持っていれば地券はあったかもしれませんが、どの家でも多くは散逸しています、重要な資産だと思っていたご先祖様が仏壇の中に納めていたと思います。

 

地券があれば旧土地台帳との整合をしてみたり、どのくらいの土地を持っていたのか、税額がどうなのか?土地の面積は広いのか狭いのか?を検証することも可能になりますので、この地券がある家は調査の幅が広がっていきます。

 

ウッキペディアから画像引用。

 

卒業証書

明治時代から戦前の卒業証書には族称が記載されています、年代的には私たちの祖父母から5代前位前の方になります。

 

内容は卒業証書なので珍しいものではありませんが、族称記載がされている。自分の直系尊属である肉親の資料である。という点ではこちらも先祖が実際に生きていた、活動していたものになるので貴重な資料になります。

 

仏壇の収納が広い場合は先祖のだけでなく、自分や親の卒業証書を入れておけば、散逸を防げる場合も多いです。

 

実際私の両親の卒業証書は紛失しております。

 

成績表、通知表

成績表や通知表があれば、先祖の生の情報がそこに存在しています、先祖は国語が得意だったのか!や数学ができないのは自分と一緒だなとか、親近感が湧きます。

 

戦後のものなら、実は案外保管されていることもあるのではないでしょうか?

 

つまり自分の両親や祖父母のものになります、そこまで古い資料にはなりませんが、これも100年経てば立派な先祖の資料になります。

 

古銭

仏壇の中にはなぜか古銭があったりするものです、明治時代の古銭や寛永通宝など、価値のある小判や金貨は出てこないかもしれませんが庶民が普通に使用していた、小銭類が仏壇内にあれば、まとめておきましょう。

 

実物の資料として後世に必ず残していきたいものになります。

 

実家の仏壇の中にあった古銭。

寛永通宝といえば江戸時代の一般的な古銭。

その他にも一銭銅貨や戦時中の小銭にも仏壇の中にありました。

 

左:大観通宝 北宋(1107~)頃の古銭

 

右:乾隆通報 清の6代目皇帝・乾隆帝の乾隆元年(1736年)に鋳造された。

 

因みに小学生の時にピカピカにしようと、サンポールの中に入れてからピカールで磨いたので古銭感が出ていません。

 

その他

他にも先祖が趣味で俳句などをしていれば、その雅号の入ったものや、戦前の貯金通帳や国債などが出てくるかもしれません。

 

仏壇という先祖が祀られている場所なので、必然的に貴重なものを保管するという特性上、押し入れや蔵の中に保管するよりもワンランク上の資料が保管されている可能性が高まります。

 

遠戚の仏壇の場合

自分の家の仏壇であれば簡単に探すことが出来ますが、遠戚の家の仏壇を勝手に探すことはできません。

 

しかし上記の理由で仏壇の中にはかなり貴重な資料が残っている可能性があります。問題はその家の当主がそれを記帳なものと考えていない場合が多いということです。

 

【嘘】家に古いものは無いよ【7つの攻略法】

 

当主の認識としては価値の無いものだと思っていますので、遠戚の自宅に伺って仏壇を確認できれば、具体的に戸籍謄本や写真、地券や古文書が無いか?ということを聞いて1つ1つ確かめることが確実です。

 

話のなかで、そういえば、なんか書類があったわ!と仏壇の中を探して貰えることもあるかもしれません。

 

そこで一緒に探しながら、ああでもない、こうでもない、と話をしていき重要な話が出てこないかを確認していきます。

 

「わしの爺さんは大酒のみで土地を売った、借金も多くした」と言われれば、「ではその借用書とかありませんか」とか。

 

このような話の中で核心をつく事実が出てくることも案外あります。

 

まとめ

●仏壇の中には先祖を祀るということでワンランク上の資料が保存されていることがある。

●特に江戸時代の古文書や明治以降の族称記載された資料は貴重なものになりえる。

●戦時中の写真、手紙などは子孫である私たちがしっかりと残していくべき資料となる。

●遠戚の仏壇の中は勝手に開けられないが、話をしながら●●のようなものが無いか確認していく。

 

公開日2021/06/12

 

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