はじめに

先祖探しとは先祖を探すことになりますが、当然一人ではできません、必ず他人との協力が必要になってきます。

 

他人といっても様々な方がいます。

 

①自分の身近な親族。

②知らない遠戚。

③役場、法務局の職員。

④図書館や文書館の係の方。

⑤地元の郷土史家

⑥お寺の住職

⓻親戚ではないが、先祖の土地に住んでいる方。

 

これらに共通していることはずばり

人間です!!

 

人間ということは「心」を持っています。

 

自分が先祖を探す為には当然、他者へ協力を仰がなと進展できません、知りたい知りたいでは嫌がられます。

 

過去に私も大きな失敗をしたことがあります。

 

【5選】先祖探しで失敗しない方法【私の経験から】

 

そこで、先方の協力を最大限に引き出す為の心理学を抜粋します。

 

①メラビアンの法則

人は情報の大半を見た目で判断します。

特に最初の印象がその人物の印象を決定づけます。

この要素の割合を示したものを「メラビアンの法則」といいます。

 

 

視覚情報とは見た目や身だしなみです、相手に不審な人物だと思われないようにすることが重要になります。

 

笑顔も最初に重要になってきます、暗い顔、元気の無い顔よりも、笑顔が話をした方が先方も明るくなります。

 

遠戚やお寺に伺う時などは、襟付きのシャツでジーンズはやめておく、髪を整えて、口臭など身だしなみもキチンしておく。

 

次に、視覚情報です、ハキハキとした声、声のトーン、話の内容次第では感嘆もする、こちらの説明では抑揚をつけることも重要。

 

最後に、言語情報になります、具体的に聞きたい事や話したいことになります。

 

視覚、聴覚情報で93%を占めることが分かると思います、特に見た目をきちんとして、丁寧な言葉遣いで最初の印象を持っていただければ協力してもらう確率が高くなりますし、そこが失敗したら門前払いされる可能性があります。

 

自分の知りたい言語情報にあたる7%を得る為に最初の93%を惜しまないことです。

 

 

②返報性の法則

人から何かしらの施しを受けたとき、「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持ちになるという心理作用です。

 

親戚や遠戚のお宅または菩提寺で先祖の話や位牌やお墓などを調べたいことがある時に、いきなり、色々教えてください!!と言ってきたら引くと思います。

 

なんで教えなといけないのか!ということにもなりかねません。

 

ここで返報性の法則が役立ちます、人は何かをされるとお返しをしないと気持ちが悪い(自分だけ徳をしている気がする)という思いが出てきます。

 

親戚や遠戚に行ったらまずは、「志」を渡す、そして自分が調べた一番詳しい資料を先方にお渡しする、そこから、更に踏み込んだ調査をしたい旨を伝える。

 

そして、調べた内容に関しては加筆修正してからまた、先方に送ります。 と言ってみましょう。

 

先方としては、最初に「志」をいただき詳しい資料まで渡された後に、依頼されたら、まあ先祖の話もしてみようかな、位牌とお墓はこちらです、となります。

 

また、そちらを纏めたものを、送付すれば自分のやったことで喜ばれることになり、よかったと思われます。

 

③一貫性の法則

一貫性の法則とは、「自分の態度・発言・行動などに“一貫性”を持たせたい」という心理傾向です。

 

人は自分の言ったことの一貫性にこだわります。

 

これが上手くいくと、調査をしたがもっと詳しく資料がないかを遠戚が調べてくれて、更に詳しい資料が発見、遠戚からの情報入手、お寺では先祖の戒名が更に分かったということがあります。

 

先祖探しよくあるのが、遠戚の家で先祖探しの資料を求めたら、そこの当主や奥様が興味を持って、色々調べていき、どんどん古い資料や伝承が発見されたということです。

 

遠戚に聞いたら家系図があった!! とか、あの家が本家だと分かったので今度、話を聞きに行ってくるなどです。

 

先祖探しに協力するという一貫性を持たせる為に、心理的に協力してくれるいい例です。

 

ただし逆もあります。

 

それは、最初に拒絶されると、それを一貫して維持するという例です。

 

これを遠戚や菩提寺でやられると、調査が進展できなくなります。

 

また、役場で戸籍が出ないという例も同様のケースが色々あるように思います。

 

例えば、戸籍があるのにも関わらず、一回出せないと言ってしまったので、その後こちらが色々理論武装して話をしても、出せないの一点張り。

 

先祖探し仲間の例で感じることです。

 

役場の戸籍係の方も万能ではありません

 

④単純接触効果

何度も接触することで好感度が高まっていく心理効果です。

 

人は初対面の方には身構えますが、何回も話をしたりすると、親近感が高まってきます。

 

例えば、遠戚の家の場合は、

①最初に手紙を出す。

②自宅に伺う。

③調査した資料を送付する。

④年賀状のやり取りをする。

⑤新しく発見した内容があれば追記して送る。

⑥仮に近くまで行くことがあれば寄ってみる。

などになります。

 

ただし⑥にかんしては①~⑤で十分な信頼関係があることが前提です。

 

役場、法務局や図書館、郷土史家なども同様です。

 

役場も何回も戸籍の請求をしていくと係の方も心情を理解して、親切になってくれる場合があります。

 

法務局も同様に何回も行き、若干の話もするような仲になれば、話が通じるようになることもあります。

 

図書館や郷土史家なども同様です、結局人なので何回もお話をして行けば親しくなってきます、当然メラビアンの法則は重要になってきます。

 

⑤バックトラッキング

バックトラッキングとは、相手の言葉をオウム返しのようにそのまま言い返す方法のことです。

人は自分と同じ考えの人・自分と似ている人に好感を持ちやすく、例えば以下のように相手の言葉をオウム返しすることで、信頼関係を気付きやすくなります。

 

これは初めていく遠戚の方との話で有効です。

 

特に年配の方は自分の昔話をします、そこでオウム返しをするような会話を心がけることです。

 

遠戚:「わしの爺さんは日露戦争に行ったんじゃ」

自分:「そうなんですね、日露戦争に行ったんですね」

遠戚:「爺さんは身長が高く明治生まれだったのに185㎝もあったらいい」

自分:「そうなんですか!身長が185㎝もあったんですか!!」

遠戚:「そういえば、昔のご先祖様には酒でも身上潰したのもいるようだ」

自分:「へ~お酒で身上を潰したした先祖もいるんですね」

 

といった具合です。

 

オウム返しだけでなく、身振り手振りなども真似ることで親近感が湧くこともあります、過度な反応はダメですが、少し同じような身振り手振りをしてみるといいかもしれません。

 

⑥インタビュー効果

インタビュー効果とは、相手の話を聞く際に熱心に聞いていることをアピールすることで相手は気持ちよくなり、「もっと情報を与えなくては」という気分になる効果です。

 

初対面の遠戚のお宅、郷土史家の方へお話を伺う時などに使用します、相手の話を熱心に聞いていることをアピールするには、

①うなずき。

②感嘆表現「え~」「お~」「ふう~ん」「そうなんですか!!」「なるほど!!」「凄いですね!」

③目を見て話を聞く。

④時折メモをする。

⑤オウム返し。

などがあります。

 

必死に先祖探しをしている熱心さが伝われば、これも言おう、あれも言おうとなります。

 

当然演技でそれをするよりも真摯な態度で本当に聞きましょう。

 

⑦ブーメラン効果

ブーメラン効果とは説得効果による態度硬化」「強い反発を生み出すことをいいます。

 

過去に私が失敗した例です、とにかく先祖に関する事、苗字についてなどを知りたいがゆえに、「教えて下さい!!」を連呼してしまいました。

 

そうなると、先方も「めんどくさい奴」「自分のことしか考えない奴」と思われ、逆に態度硬化」「強い反発をしてしまいました。

 

強引な話の持って行きかたは良い事になりませんので、「返報性の法則」を絡めながら交渉していきましょう。

 

【失敗】先祖探し【5選】

 

⑧フット インザ ドア テクニック

フットインザドアとは、簡単な要求から始めて徐々に要求レベルを上げるテクニックです。

 

①遠戚のお宅に手紙を書く。

②お墓参りをしたいということでご自宅に伺う。

③仏壇に手を合わせたい「志」をお供えしたいと、お邪魔する。

④位牌や遺影を確認させていただく。

⑤先祖のお話をお聞きする。

⑥今日聞いたものをまとめて送るが、もう少し詳しいことを知りたいので菩提寺の紹介をしてもらう。

⑦詳しい資料作成のためには戸籍謄本が必要なので委任状を書いてもらう。

 

お墓参りだけだったですが、話をしながら徐々に難易度の高い要求をしていく方法です。

当然、そこには「メラビアンの法則」「返報性の法則」「インタビュー効果」「バックトラッキング」などを合間に挟んで徐々に信頼していただく必要があります。

 

⑨ドア インザ フェイス テクニック

ドアインザフェイスとは、本命の要求の前に過大な要求を出し、本命の要求を受け入れやすくするテクニックです。
最初に提案する内容は相手が断わると予想される大きな要求をすることになります。

 

具体的には、「菩提寺に行きたいので一緒についてきてほしい、または電話してほしい」という要望を出します。

 

遠戚は腰が重く面倒な場合もあります「だったら、私が伺いますが、念のため紹介していただいた旨はお伝えしてもいいですか?」と確認します。

 

遠戚の方も「その位だったらいいよ」となる場合が多いです。

 

他にも菩提寺で

自分:「過去帳見せてください」

住職:「それは出来ません」

自分:では当家に該当する部分を抜き出して頂けないでしょうか?」「志はこちらです」

住職:「抜き出すのでしたらいいですよ」

このような、依頼をすることもあるかもしれません。

 

高度なテクニックになりますので、事前に想定問答集をシュミレーションしておいたほうがいいです。

 

 

上記以外にもいろいろな心理学的なテクニックがありますが、小手先のテクニックに頼るのではなく、まずは、真摯に先祖を探していきたいという心を先方に分かっていただくことが重要です。

 

逆に、本当に先祖をもっと知りたいと思えば、身なりにも気を遣い、言葉も選んで、人の話は一生懸命聞き、お願いすることは謙虚にお願いすると思います。

 

先祖を探すという大きな目的の前では人は自分の非力さを痛感すると思います、また、自分1人では調査が進展できないことも多くあります、少しでも確率を上げる心理学的テクニックですが、実際に行動することで大きな進展や変化が現れることを願っています。

 

【まとめ】

①メラビアンの法則:人は見た目と話し方が93%です、清潔感のある雰囲気でハキハキと。

 

②返報性の法則:なにかされたら、人はお返しをする心理になります。まず与えよの精神です。

 

③一貫性の法則:遠戚の協力を得られたら、かなり進展します。

 

④単純接触効果:何回も接触することで人は親近感を得られます、親近感を得られたら協力していただけます。

 

⑤バックトラッキング:オウム返しをすることにより、人は自分と同じ価値観を持っていると思います。

 

⑥インタビュー効果:当たり前のことですが、人の話は一生懸命聞きましょう。

 

⑦ブーメラン効果:これだけは避けないといけません。

 

⑧フット インザ ドア テクニック:最初の要求は簡単なものから。

 

⑨ドア インザ フェイス テクニック:難しい要求をあえてしてからの簡単な要求は通りやすいです。

 

 

公開日2021/07/03

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