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はじめに

お墓にも色んな種類があります。

 

基本的には江戸時代以降のお墓は一般的なお墓ですが、大昔のお墓に関しては中々見たこと無いようなものもあります。

 

層塔

 

鎌倉時代や室町時代のもので、お墓ですが、有力な地域の支配者のものですので、直接自家に関わるようなことはないと思います。

 

知識として認識していればと思います。

 

古刹のお寺には案外あったりするものですので、歴史資料として実際に確認してみましょう。

 

五輪塔

 

 

大きな五輪塔は国衆レベルの墓ですが、小さい墓でも、その家臣クラスになりますので、庶民のお墓ではありません。

 

先祖がこの地域を治めていた領主だったという伝承があれば、ひょっとしたらこのお墓のどれかが自分に繋がる先祖のお墓の可能性もあります。

 

断定は出来ませんのでロマンの世界ですね。

 

宝篋印塔

 

この画像のような立派なものはこれも戦国時代以前の有力な豪族のものになりますので、自分の先祖というよりは、このようなお墓が400年以上前にあったんだなという認識でいいと思います。

 

ただし、自家がその系統であるという確証があれば先祖の可能性は高まります。

 

但し、誰のお墓か彫っていませんので特定はできません。

 

墓地などでは、五輪塔と宝篋印塔が混在しているケースも多いです。

 

また、宝篋印塔の上に五輪塔の上部が置かれていたり、その逆もあったりします。

 

 

同じところに固まってある場合は、点在していたものを1つの所に後世に纏められたと思われます。

 

年代は形態の変化がありますので同じ墓の形状でも微妙に変わってきます。

 

また地域によっても石の材質や形状に変化があります。

卵塔・無縫塔

ほぼその寺の住職のお墓になります。

 

自家がお寺の場合は自分の先祖が住職になりますので珍しいお墓に出会えるかもしれません。

 

 

 

自然石

 

画面左は自然石のお墓ですが、後世の裕福な家が建立したものです。

 

画面右が江戸時代の庶民の一般的なお墓です。

 

野面(ノズラ)とも呼ばれており、少し大きめの石を墓標にした簡易的なお墓になります。

 

大半の家のお墓はこのようなものだったと推測されます。

方形墓

 

墓の上が三角形になっているお墓です。

 

年代は古く、1600年代から1700年代のものが多いです。

 

古い時代からこのような立派なお墓を建立できるということは、社会的地位も高いと思われます。

 

自家のお墓にこのような形態のものがある場合は旧家の可能性が高いですので、お墓に彫っている情報や位牌、過去帳などの情報を合わせてどの先祖のお墓なのかを確認してみましょう。

 

古いお墓ですので摩耗している場合は拓本をしないと解読出来ないかもしれませんがする価値はあります。

 

蒲鉾形墓

 

上部がまるくなっており蒲鉾のようになっているので蒲鉾形墓という名称になっています。

 

1700年代後半から1800年代にかけての一般的なお墓になります。

 

一般的と言っても、当時このような立派なお墓を建立できるということは、相応の財力がないといけませんので、社会的地位は高いと思われます。

 

お墓の大きさはそこまで大きくはなく50~70cm前後のものになります。

 

戸籍で分るのが江戸末期になりますのでそれより先はこのようなお墓の調査がメインになってきます。

 

笠塔婆

 

お墓の上に笠があるタイプの墓になります、江戸時代のお墓にある場合は、分限者だった可能性があります。

 

明治以降には地元の資産家は大きな墓に笠があるタイプの墓を建立しているケースが散見されます。

 

家運の隆盛を極めている往時の姿を垣間見ることができます。

 

箱形墓・方柱塔

 

明治以降のお墓になります。

 

夫婦で1対になっているお墓が多いのが特徴です。

 

戦前までは、このようなお墓が主流でしたが、戦後は●●家の墓というように、一家で1つのお墓になっています。

 

ここに彫ってある情報は戸籍からの情報と同じですが、戒名に関してはよく確認されることをお勧めします。

 

墓石に彫ってある戒名と、過去帳に記載してある戒名が若干違う場合もあります。

 

 

その他

 

地蔵のお墓の場合は子どものお墓の場合もあります、戒名に「童子」「童女」と彫っているか確認しましょう。

 

また、お墓というより墓誌のような形状のあります(初代から10代までの俗名や行年が彫ってある場合もあります)

 

【まとめ】

●五輪塔や宝篋印塔以前のものは自家の先祖というよりは歴史的遺物になる。

 

自分の先祖が豪族だったという場合は、その墓のどれかが自分の先祖の可能性もあるが、断定はできないので、「そのように言われている」という感じの表現になる。

 

●方形墓や蒲鉾形墓が自家にある場合は1700年代から1800年代のものと推測されるので、先祖がこの土地にこの年代からいた証拠になる。

 

また、当時このレベルの墓石を建立できるということなので、地域の有力な資産をもっている家とも推測できる。

 

●お地蔵さんや墓誌のようなお墓もあるが、これらを調査していくことで、新発見があるかもしれない。

公開日2019/6/12

更新日2020/7/18

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