はじめに
公的機関といって、役場や法務局だけではありません。
先祖探しは膨大な資料の中にある僅かな自家に関する情報を探す、根気のいる作業です。
当然、位牌、過去帳、お墓の情報は重要なものですが、その村についての理解を深めれば先祖が生きていた情景もイメージしやすくなります。
そこで、公的機関が活躍してきます。
【図書館】
出来れば県立図書館が望ましいですが、遠方の場合は市町村の図書館でも問題ありません。
図書館では以下の様なことが出来ます。
①各市町村史の閲覧及びコピー
先祖の市町村史の閲覧及び必要な部分をコピーしましょう。
基本的には新しい時代から古い時代に遡っていきます。
明治→江戸→戦国→室町→鎌倉 という感じです。
明治時代:先祖が村議会議員や地区のリーダーとして記載されている場合があります。
江戸時代:庄屋、組頭などで記載されている場合や、土地の所有舎として記載されている場合があります。
戦国時代以前:同姓で調査確認、小領主の場合もあります、直ちに先祖だと断定してはいけませんが、調査範囲になります。
②「角川●●県地名大辞典」
各県の地名大辞典で中世、近世の記述は勉強になります。
村の石高なども記載されている場合もありますのでどのような場所に先祖が住んでいるのか想像できます。
巻末には小字も記載されていますので便利です。
③「平凡社●●県の地名」
かなり詳しい地名辞典で、神社仏閣の歴史、村の石高など詳細な記載があります。
自分の先祖の村の菩提寺や神社、中世豪族の名前などもあり勉強になります。
④「姓氏家系大辞典」
太田亮の名著です、購入するには高額ですし、自家の部分だけならコピーでも問題ありません。
⑤家系図作成に関する書籍
参考図書に記載している書籍があるかもしれません。
⑥日本城郭大系
日本のお城のバイブル的なものです、先祖が城主であったというような伝承があれば該当部分をコピーしましょう。
⑦戦前の地形図
1/50000もしくは1/100000の地形図がある図書館もあります、明治時代は開発されていませんの、江戸時代の道などが分かります。
図書館によっては半分しかコピー出来ない場合もあります。
⑧全国の電話帳
同姓に手紙を書く時に必要になってきます。
最近は無いところも多くなったと聞きます。
【文書館】
書庫などに保管されていますので、まずは係の方に確認をしてみましょう。
具体的には、
●●町についての古文書はありませんか?
●●町●●の宗門人別帳はありませんか?
●●村に関わる古文書はありませんか?
現在先祖調査でこのようなことをしていますが、何かアドバイスは無いでしょうか?
と確認してみるのがいいと思います。
また、不明な部分の古文書をみて頂ける場合もありますので、相談してみるのもよいでしょう。
※あくまでも自分で解読して分らない部分のみのアドバイスになります、「全て解読お願いします」では断られます。
古文書の勉強会なども開かれている場合も多いですので、そのような勉強会がないか確認をしてみましょう。
【郷土資料館】
市や町には郷土資料館がある場合があります。
自分の知りたい情報が展示されていない場合でも、係の方に●●という地域についての郷土研究をしていますが、そのような資料はありませんか?または、どこかに存在しているかご存じないでしょうか?と聞いてみましょう。
郷土史家を紹介して頂けることもあるかもしれません。
どちらかというと、先祖を調べるというよりも、先祖の生きた地域を調べるという感じです。
しかし、先祖の名前だけ判明するよりも、先祖の生きた土地の事が分かれば親近感が湧きます。
【公民館】
公民館の中には「●●郷土史会」というものがあるケースも多いです。
また、行政ともリンクしていますので、公民館から行政へ確認をして頂ける場合もあります。
社会福祉協議会の会長や町内会長など、地元に顔が広い方も多く出入りされていますので、公民館の方からその方を紹介して頂き、更に地元の古老や郷土史家を紹介して頂く方法もできます。
先祖探しは人との繋がりです。
色んな方を通じて広がりを見せれば、少しでも進展できると思います。
【まとめ】
●先祖探しでは公共機関を利用する場面がある。
●図書館、文書館、郷土資料館、公民館などである。
●これらは先祖の名前を発見するよりも、先祖の住んでいた場所を考察して深掘りするのに利用。
●また、人との繋がりが重要になってくる。