参考図書:家系図をつくる
著者:永峰英太郎(著) 渡辺宗貴(監修)
第1章 戸籍の基本知識
1 .家系のルーツを追う方法は、4つの時代で異なる
2.戸籍謄本は書式の変更などにより3種類ある
3.戸籍謄本に記載されている項目を把握する
4.戸籍謄本の取り方の基本を知ろう
5.戸籍に出てくる「単語」の意味を理解する
6.古い戸籍に登場する昔の字の読み方にはコツがある
7.昔の地名から今の地名を探り出そう
8.取得できる戸籍には、限界がある
9.習うより慣れろ!今すぐ始めよう!
——— コラム ———
知っておきたい「親族」についての言葉の意味—この内容が必要な情報を含んでいることを願っています。
1章は戸籍の基本的な記載方法や戸籍の年代別フォーマット形式、戸籍用語などの説明、更に古い戸籍にのみ登場する「変体かな」についての説明があります。
取得をすぐにしよう!という
先祖探しでは一般的なことも記載されており、初心者の方がまず何をしないといけないか?が記されている章になります。
第2章 現在、取得できるすべての戸籍を集める
1.まずは、自分の戸籍謄本を取得する
2.次に親の戸籍を取って、いろいろ読み取ろう
3.親の「改製原戸籍」を取る
4.祖父の戸籍(除籍謄本)を読み取る
5.祖父の大正4年式戸籍(改製原戸籍)を読み取る
6.曾祖父の戸籍(除籍謄本)を読み取る
7.母方の戸籍も取ってみる
8.ここまでの戸籍をもとに、家系図をつくろう
——— コラム ———
戸籍の収集を行政書士に依頼するのは、あり?なし?
2章は年代別の戸籍謄本が著者自らの戸籍(除籍)謄本を例に説明されています。
特に最新版から明治19年戸籍まで遡っていくので、初めての方がこのようなフォーマットの戸籍があるのか。と実際に分かるのが良い点になります。
また、母方の戸籍の取得を推薦している点なども他の家系図作成の本には無い点になります。
そして、この章で家系図作成の方法を記しています。
一旦戸籍で判明した名前を家系図に落として見える化する点が特徴としてあり、2章までで初心者の方がまずは家系図を作成できるように後押ししています。
コラムに行政書士に依頼するのはあり?なし?ということでそのメリット、デメリットをきちんと説明されています。
第3章 戸籍より1〜2世代前の先祖を調査しよう!
1.戸籍から読み取れる情報をまとめてみる
2.自分の家系の「本家」を探し出す
3.親や親族から「先祖」についての情報を集める
4.親族の手記や家系図、伝聞から先祖を探る
5.自分の家系の「菩提寺」を調査する
6.菩提寺を絞り込み、手紙を送る
7.菩提寺が判明したら、過去帳の写しをつくってもらう
8.「戒名・法名」の構成を理解する
9.実際に菩提寺から「過去帳の写し」を入手する
10.お墓の所在地を確認し、墓石調査をする
——— コラム ———
江戸時代の「元号」の西暦を知ろう!
3章では戸籍から更に遡る方法を記しています。
セオリー通りに、①本家の特定②本家から伝承等を確認③菩提寺にいき調査を行う などになります
気になる点は
・位牌、墓石に関する記載が薄い。
・本家が不明な場合の探し方。
・菩提寺に過去帳の確認をしても普通はすんなりとはいかないの深掘りが必要。
特に菩提寺の先祖探しの最終到達地点になりますので慎重さが求められます。
あと菩提寺の中に墓があるとは限らないので、その点も注意が必要になります。
街中は菩提寺に墓があることも多いですが、田舎にいくと、山の中に墓所があることも多いです。
コラムにある、江戸時代の年号を知ろう!は先祖探しをしている方なら覚えておいて損はありません。
特に戸籍に記載されている年号(古いものでは寛政年間)あたりの「元号」に関しては西暦何年位か覚えておくと、色々便利です。
第4章 これまで判明した先祖の職業や身分を調べよう!
1.国会図書館デジタルコレクションを駆使する
2.最寄りの図書館で調べる
3.図書館レファレンスサービスを使いこなす
4.新聞記事は「オンラインデータベース」で探す
5.先祖の「名前」から身分を調べる
6.先祖の本籍地(住所)を探る
7.自分の先祖の職業などを探る
8.先祖が住んだエリアの痕跡をたどる
9.戸籍の「サブキャラ」にも注意を払う
——— コラム ———
『大日本職業別明細図』で、昔の店舗などをチェック!
4章では先祖を遡るよりも、近い先祖(明治以降の先祖)に関して深掘りをする内容の章となっています。
最近は国立国会図書館の「デジタルコレクション」などオンラインでデータ検索が出来ます。
更に明治以降の新聞記事なども手に入ります。
このように10数年前では考えれなかったことが分かります。
ただし先祖を遡るのが困難になったら(概ね1700年代が限界)身近な先祖を詳しく調べていく事に軸足を移していく内容となっています。
第5章 戸籍よりもっとさかのぼった家系の調査をする
1.家系調査の限界点——それが戦国時代です
2.日本人のルーツの大半は「源平藤橘」にたどり着く
3.「源平藤橘」ゆかりの名字(苗字)の広がり
4.明治以降、庶民は同々の名字(苗字)を名乗るようになった
5.地名辞典で、先祖の居住地の歴史を探る
6.「市町村史」などの郷土誌をチェックする
7.先祖代々の「苗字」の由来を調べる
8苗字を絵で描いたもの——それが「家紋」です
9.自分の先祖の「家紋」を調べる
10.自分の先祖のエリア内・外の「同姓・同紋」を調べる
11.先祖の「苗字」の分布を調べる
12先祖の「苗字」の分布を調べる
13.先祖が住んでいたエリア内の 同姓を探し、手紙を出す
14.江戸時代から現在までの ファミリーヒストリーを推察する
15.1000年前(中世・古代)からの 大きな家系の流れを追う
16.最終的な「家系図」を作成する
17.1000年前(中世・古代)からの 大きな家系の流れを追う〈その2〉
おわりに
5章では、自分の先祖をもっと広義に調査していく方法が記載されています。
苗字や家紋の調査
同姓への手紙
市町村史の確認
などになります。
ほとんどの家は1000年遡ることは出来ませんが、日本に住んでいる以上、20~30世代遡ればどこかで皆さんと共通の祖先をもっているのではないでしょうか?
出来れば
旧土地台帳、軍歴簿、位牌の確認、などの調査方法もあればよかったと思います。
所感
・初心者が実施しやすいように戸籍からの調査方法をしるしている。
・戸籍よりも深掘りしたい方は本家へのアプローチや菩提寺の特定なども説明。
・古い先祖調査だけでなく、身近な先祖を深掘りする方法も網羅。
公開日2025年1月22日