先祖探しを早く開始すれば、それだけ成果が大きくなります。
特に10代から20代前半に開始すると、1~2世代は確実に遡れます。
理由は通常先祖探しをしている世代が40代から60代なので自分の両親か祖父母世代になるからです。
メリットその1
例えば明治19年戸籍があったとして、そこに記載されている方が天保生まれだとすれば。
1840年と仮定して。
60代であれば
自分:1960年代生まれ
両親:1930年代生まれ
祖父母:1900年代生まれ
曽祖父母:1870年代生まれ
高祖父母:1840年代生まれ
と戸籍では4世代前が平均になります。
しかし10代であれば当然ですが
自分:2000年代生まれ
両親:1970年代生まれ
祖父母:1940年代生まれ
曽祖父母:1910年代生まれ
高祖父母:1880年代生まれ
5代前:1850年代生まれ
と戸籍でも5世代前、上手く行けば6世代前も普通にあると思います。
これが戸籍に記載されている方の父や祖父として記載されていれば生まれた年は不明でも直系尊属の記載はあります。
私は1970年代生まれですが、それでも最高7代前のご先祖様の記載がありました。
この喜平が私の7代前の先祖になります。
たまたま、万次郎という方が失踪して死亡届を出されておらず、除籍されていませんでした。
結果的に戸籍に残っておりこのような記載になっていました。
これが10代であればもう1世代遡れますので、8世代前になります。
子どもが生まれるのが早い家系でしたら9世代前運が良ければ10世代前も夢ではありません!!
戸籍でここまで遡れるのは若さの特権です。
40代以上の場合は自分の高祖父母(16人)までなら判明しますが、その上の32人全員が判明することは稀です。
しかし、10代の方の場合は5世代前の32人全てが判明することも珍しくありませんし、実際に10代の方で32人判明している方もいます。
更に6世代前の64人でも9割くらいの先祖は判明する可能性が高いです。
このように戸籍だけでも、ここまで判明するのは日本の戸籍制度のおかげです。
ただし、戸籍は廃棄される可能性がありますので、早めに取得することをお勧めします。
廃棄されると二度と取得できません。
廃棄証明書は発行されるものの、そこに記載されていたはずの先祖の名前は戸籍では遡れなくなります。
まだ10代ですので、お小遣いも少ないかもしれませんが、ここはお年玉を使っても取得したいものです。
話はそれますが、戸籍請求は人生の中でも1回か2回あるかないかだと思います。
それを10代で請求するとなれば、人生経験を積むことも可能です。
請求漏れや取得可能な戸籍の確認などがあれば役場とのやりとりをする必要になります。
通常の大人でも大変な交渉になりますが、10代でこのような経験をされ自信に繋がると、今後の人生でもプラスに働くと信じます。
そのうち大人になって戸籍を取得しようと思ったら廃棄されていた
ということが無いように取得はお早めに!!
戸籍の取得関係はこちら
↓
メリットその2
今の10代でしたら祖父母が60~70代位だと思います。
そうなると健在の方も多いのではないでしょうか?
曽祖父母も80~90代で健在の可能性もあります。
これは非常に有利です。
何故ならば生きた先祖の歴史を生の声で聞く事が可能だからです。
曽祖父母にその祖父母の話を聞ければ、生の声で自分の5代前の先祖の話が聞けます。
恐らく江戸末期から明治初期に生まれた方のはず、明治維新で活躍した維新の志士達がまだ生きていた時代を一緒に生きていたと思うと、教科書の中の歴史上の人物がぐっと身近に感じられます。
また、遠戚の家でも生きている方の紹介があれば話がスムーズです。
例えばこの図で自分の曽祖父が健在だとしましょう。
実は本家の家があるとしても自分から5代前の先祖からの分かれとなると、自分はもとより、父も殆ど面識がないかもしれません。
しかし、曽祖父は幼少の頃に遊びに行ったり、泊まったりしたことがあるでしょう。
仮に高祖父の兄の子どもが亡くなっていたとしても、曽祖父であればその子ども(赤字)とも交流があるか面識があると思いますので、一言「わしの曽孫が先祖を探しているんじゃが今度家に行ってもいいか?」と電話で言って貰えればかなり優位に進められます。
これは、自分自身が連絡するよりも可能性が高まるという話です。
仮に曽祖父の電話が難しくても、手紙の中に曽祖父の名前を記載して当時の思い出や聞いた伝承を差し込むだけでもぐっと信頼感が高まります。
手紙の書き方はこちらを参考に。
↓
このように若い方であれば祖父母や曽祖父母が生きている可能性が高いのでどんどん話を聞きまくりましょう!!!
私も先祖探しをして35年になりますが、そのきっかけは祖父の死でした。
昭和60年に亡くなった時私はまだ10才でした。
その時なにか大きな漠然とした不安を感じていました、その前から父親から伝説の高祖父の話を聞いていました。
「お前のひいひい爺さんは本村というところから天秤棒を担いでこの村にきて若い娘と懇ろの関係になり住み着いた」と。
いつか、大きくなったらその伝説の地である「本村」に行ってみたいな。
と思っていた矢先の祖父の死でした。
そうです、重要なことを知っているはずの祖父が亡くなった為に詳しい事がわからずじまいでした。
まあ、そこからの逆転劇で本家を18才の時に探しだしましたが。
それは8年後の話になります。
祖父の死から「人は亡くなったら永遠に情報を失う」ということを認識した時でした。
その時祖母はまだ元気でしたので、いつか亡くなる祖母から後悔する前に色んな話を聞こうと、質問をしまくりました。
そして、祖母の紹介でいろんな親戚の家に伺いました。
高祖母の実家で祖母が昭和30年頃まで墓参りをしていた墓
祖母の母親の実家でまだ祖母の従兄弟が生きていましたので、一緒に伺ったことがあります。
祖母の母。
祖母の母の実家の話。
祖母の祖父の実家で話に出たので思い切って手紙を書き伺ったことがあります。
これも祖母の話がないと分かりませんでした。
祖母の祖母。
祖母の祖母の実家の話。
祖母の生まれた実家の話。
このように祖母のツテを頼りに紹介されたり、祖母と一緒にいったりしてかなりの収穫を得ました。
10代~20代の方であれば、私以上の収穫を得られることは間違い無しだと思います。
是非とも祖父母等の話を聞きまくって、その紹介にて遠戚に伺ってきましょう。
メリットその3
年配の方で古いことを知っている方と知り得る最終世代。
10代~20代の方の祖父母が60~70代で曽祖父母世代が80~90代とお話しました。
これは自分の肉親だけの問題ではありません。
先祖探しをしてお墓や、位牌、過去帳までたどり着いたら、これ以上はなかなか自分の家のみの調査では進展が難しいかもしれません。
そこで、もう少し範囲を広げて、同姓の調査や郷土史家へのアプローチなども選択肢の1つになります。
そこで手紙を書いて「何か知りませんか」と尋ねることも出てきます。
今であれば80代~90代の方もギリギリ生存しています。
ここが重要になります。
この世代は戦前の世代になります、昔の事や風習、伝統、言い伝えなどもしっかりと覚えている世代です。
この世代に直接アプローチをかけて話を伺うことは値千金です。
肉声に勝る者はありません。
アンケートはこちら。
郷土史家の方もそうです、詳しく知っている方は概ね80代以上の方が多いです。
そんな方ヘ10代~20代の方から連絡がくれば、回答も得やすいと考えます。
私も20代の時に高祖父の実家があった村にいる郷土史家の方にお話を聞いたことがありますが、その方が執筆したものを貸していただきコピーしたことを覚えています。
この世代が昔のことを知っている最後の世代になります。
ということで、亡くなる前に出来るだけの事の聞き取り調査を行うことをお勧めします。
このようなことになれば後悔することになります。
最後に
昨今のコロナ禍で人との絆が深まった様に感じます。
最後はやはり自分とはなんなのか?自分のルーツは?先祖もこのような困難ことに立ち向かって命を繋いでいったのか。と思う時があります。
そんな時に先祖探しをしてその先祖の生き様の片鱗でも判明した時に自分の中で少しの変化が現れるかもしれません。
しかし、その小さな変化が今後の自分の人生でもっとも有益なことなのかもしれません。
特に若い方であれば、その可能性は無限になります、その自分の軸となる部分を先祖探しを通じて発見できればご先祖様も喜ぶでしょう。
しかし先祖探しは若い方ばかりの特権ではありません。
50代からスタートでも全然分かる事が多いです。
↓
【まとめ】
●10代は戸籍の取得でかなり古い世代の先祖が記載されているものあり、廃棄される前に全て取得する。
●まだ生きている祖父母や曽祖父母から直接話を聞く、生の話は値千金である。
●肉親ではなくとも郷土史家や同姓の方へのアンケートでもスムーズにいく場合が多い。
公開日2021/01/23