はじめに
戸籍を入手して、位牌、過去帳、墓石の調査を行うので先祖探しの一般的な方法です。
そして、これらの情報をデータベース化すれば、最終的に由来書の作成になります。
先祖探しの目的が自分のアイデンティティーの確立や後世の子孫に真実を伝えることだとすれば、事実に基づいた由来書を作成しなければありません。
しかし、江戸時代となると、当時を知っている方はいませんし、江戸時代に生まれた方から話を聞いたことある方(概ね明治末期から大正初期頃生まれた人物)も既に生存していることは稀だと思います。
いまから150年以上前で、世代でいうと5世代位前になるので当たり前と言えば当たり前です。
しかし、明治以降になると話は変わってきます、なぜなら明治時代以降は新聞が発達したからです。
そこで、先祖の生まれた日の新聞を入手して、その記載内容から先祖の事を深掘りしてみませんか?
古い新聞の活用方法は先祖の生まれた日(生まれた頃)を知ることです。
●知れば当時の情勢が分かる。
●分かればその時両親はどんな思いで我が子を大切に思ったか判明。
●事件などがあればそちらを調査することで先祖を深掘りできる。
●由来書作成の時も先祖の人生を豊かに出来る肉づけ可能。— 先祖探し 悠久の時を越えて (@gosenzo2) September 1, 2020
直接先祖のことが記載しているということは、ほとんどありませんが、先祖が生まれた日にどのようなことがあったのか?
その時、その両親は何を感じたのか?などを考えることで、先祖を深掘りしていくことは由来書作成でも重要なことになってきます。
では、その昔の新聞を調べるにはどうすればいいのか?を具体的に説明します。
一番最初の新聞は1871年=明治4年に「横浜毎日新聞」が日本初の日刊紙として創刊されました、流石に、この位前の新聞で地方のものは残っていませんが、明治中期頃からでしたら存在しています。
【国立国会図書館編】
まずは国立国会図書館に確認をすることをお勧めします。
国立国会図書館では新聞をさがすサイトがありますのでそこから調べていくことも可能です。
国立国会図書館の所蔵する新聞
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このような新聞を確認することができます。
特に先祖が東京以外の地方の場合は日刊紙県別一覧を確認すると、地方で発行された新聞の有無を確認できます。
国立国会図書館の問題点は地方にいる人間にとっては遠方でそれを読むことは、ほぼ不可能だということです。
そこで、県立図書館や文書館に昔の新聞が残っていないか確認します。
【県立図書館編】
県立図書館や文書館のサイトを除けば分かると思いますし、サイトになければ直接メールや電話をしてみましょう。
(例)
実際に確認するとこのように昔の新聞が大量に閲覧可能になっていました。
※図書館によっては閉架の場合もありますし、マイクロフィルムとして保管している場合もあります。
ここで先祖の生まれた日の新聞をコピーします。
私の場合は祖父母と両親の生まれた新聞をコピーしました。
明治45年1月5日(祖父の生年は1月4日だが休刊日)
大正5年1月19日
祖母の生年月日の新聞
ただし、これを読み込むのはかなりキツいです。
マイクロフィルムからの印刷で鮮明ではなく、また字が小さいためです。
実物はA3サイズになっておりかなり字は小さい。
このような時にはスキャナーでスキャンしたものを拡大して読んだほうが分かりやすいです。
スキャンしたデータを拡大してみればここまで読みやすくなります。
自宅にスキャナーがなければコンビニで拡大コピーをするのも1つの方法です。
しかし、実家が県立図書館から離れているのですぐには行かれないという方もいます。
そんな時にはコンビニで昔の新聞を印刷することも出来ます。
【コンビニ印刷編】
最近は便利なものがありコンビニで昔の新聞を印刷することができます。
それは、お誕生日新聞コンビニプリントサービスです。
新聞社は
●朝日新聞
●読売新聞
●毎日新聞
●日本経済新聞
●沖縄タイムズ
●the japan times
です。
印刷できるコンビニは
●ファミリーマート
●ローソン
なります。
これなら、日本中どこでも対応可能だと思います。
※セブンイレブンが無いのは残念です。
費用は片面印刷(一面)なら500円 両面印刷(一面とテレビ面)なら800円
事前に休刊日をチェックします。
また、いつから印刷可能かもこの時点で確認可能です。
読売新聞:大正元年8月1日以降
朝日新聞:明治21年7月10日以降
毎日新聞:明治7年1月4日以降
日本経済新聞:明治19年1月1日以降
沖縄タイムズ:昭和23年7月1日以降
the japan times:明治30年3月22日以降
になります。
早速、コンビニで印刷実施。
コンテンツサービスを選択します。
お誕生日新聞プリントサービスを選択して、自分が印刷したい新聞を選択。
その後、年号日付を入力する。
承諾して「購入する」を選択をすれば印刷開始。
このようにA3で印刷されます。
こちらも字が小さいので拡大コピーなどをしたほうが、読みやすいと思います。
※そこにコピー機があるので一石二鳥です。
注:日本経済新聞の新聞は字がつぶれており読めない場合があります。
このようにして自分の先祖の生年月日の新聞を入手することが可能になります。
図書館の場合は、現存しているかどうか確認し無い可能性もあります、しかし地元の事が記載されていますので、ぐっと当時の様子について先祖の事とリンクさせて由来書を書く事が出来ます。
コンビニの場合は、各新聞が揃っており年代によっては同じ日で違う新聞を印刷することが可能になります、また、家から近いコンビニでも対応可能です、反面、全国紙になりますので、地元の事の記載はありせん。
可能であれば全国紙、地方史の新聞を入手すれば、もっと深く先祖の生まれた頃について分かります。
今回集めた昔の新聞
両親が生まれた頃は戦中なので戦争のことが全面に出されていました。
そしてA3版なので専用のファイルを購入して保存します。
新聞の内容を調査して由来書に記載するのは当然ですが、当時の広告なども織り交ぜながら作成するとオリジナリティーある由来書になるのではないでしょうか?
龍角散、タカヂアスターゼ
第一三共ヘルスケアは、昔は「三共合資会社」と呼ばれていたんですね。
資生堂って歯磨き粉を販売していたんですね。
エビオス、救心などは、ドラックストアーにいけば普通に販売しています。
現代でも活躍しているお薬。
このような広告をワンポイントで入れ込むのも由来書が単調にならない秘訣です。
特にこれらは一般約ですのでひょっとしたら、祖父や曽祖父が使用しているかもしれません。
祖父の家には救心があり、祖父が丸い銀色の粒を飲んでいた。
不思議に思い自分も欲しいとせがんで貰ったが、子供心にあの強烈なニオイが鮮明に覚えている。
祖母は体が弱く、咳をすることが多かった、リビングにはいつも龍角散があり、食後にいつも祖母が飲んでいた事を思い出される。
生まれたころからある薬を祖父母は飲んでいたのだろう。
などと記入すると、一気に情景が想像できます。
後世これらの薬が無くなったとしても広告と現代の画像、どのような薬かを書き留めているだけで、全然先祖のイメージが違ってきます。
それは、薬でなくても構いません。
保険、自転車、本、雑誌なども広告にはよく載っています。
また、先祖が実際に新聞に載っている場合はその新聞をデータ化して由来書に書き記すことも出来ます。
有名な人物でなくても、新聞に載ることも良くあります。
※訃報、災害時、褒章、文化面など。
先祖でなく、自分自身が新聞に載った場合も同様に由来書に記載しましょう。
【まとめ】
●先祖の生まれた日の新聞を図書館やコンビニサービスから入手する。
●新聞の内容を確認して、当時どのようなことがあったかを、由来書に記載する。
●事実を記載するだけでなく、当時の先祖の両親の思いなども推測しながら記入するとより深掘りできる。
●広告の商品などを調べて当時の流行や現代まで続く商品の説明、出来れば思い出を混ぜるとかなり情景が浮かぶ。
●自分が新聞に載っている場合も同様にデータ化して当時何故新聞に載ったのかを記載しておく。
公開日2020/09/14
更新日2021/09/13