はじめに

先祖探しをするといろんなことに興味が湧きます

 

【先祖の土地に興味が湧く】

先祖探していくと、明治時代の本籍地にたどり着きます。

そこは恐らく、今住んでいるところではないでしょう。

ひょっとしたら、数百キロも離れており、今まで行ったことも無い地かもしれません。

 

遠戚とのやり取りでその場所を一回でも訪れたら、その地の事を深く知りたくなると思います。

例えば、

 

●昔の土地はどんな感じであったか?

 

●お寺や神社などの由来。

 

●城跡、戦国時代の領主は誰だったのか?

 

●江戸時代の風俗、歴史的な事件、村の出来事。

 

●石高、その他の農作物、別の仕事があったのか?

 

宿場町、門前町や漁村なら別の見方があるかもしれません。

 

そこを確認するには、まずは地誌が必要になります。

 

参考図書:角川地名大辞典

 

参考図書:日本歴史地名大系

 

角川の地名大辞典と平凡社の日本歴史地名大系は必ず持っておいた方がいい書物になります。

理由は

●村の事に関して詳細名記載がある。

 

●村の菩提寺、神社なども記載しており自分の先祖の菩提寺が判明しやすい。

 

●戦国時代のことも多く記載されており、城跡や城主及び主な戦のことも網羅されている。

 

●平凡社には石高も巻末に記載されており、どの程度の収入があったか把握できる。

 

●石高だけでなく主要作物や働き方なども記載。

 

●角川には巻末に「小字」一覧が記載されており、苗字由来の地名が載っている可能性もある。

 

この2つの本は必須アイテムとして自家保存しておきましょう。

 

これらを確認(コピー)してから現地に行くと今までと全く違う見方で本籍地が見えてきます。

 

【古文書が読めるようになる】

仮に自分の家に古文書があった場合は、その古文書をどうしても読みたいという想いが強くなり、古文書勉強をするようになります。

古文書は唯一自分の家にしかない書物になります。

 

●土地の売買

 

●金銭の借用書

 

●村でのトラブル解決について

 

 

武士であれば更にいろんな書物が残っているかもしれません。

 

これをどう勉強して読んでいくかが重要になってきます。

 

このような古文書が読めれば先祖探しには非常に有利になります。

 

実際に自宅に古文書があればそれを解読したいというモチベーションで日々研鑽できると思います。

 

しかし、自宅に古文書が無い場合はそこまで勉強したいというモチベーションが維持出来ないと思います。

 

でもそんな時に、遠戚の蔵から江戸末期の古文書が出て来た、ということが往々にしてあります。

 

まずは、デジカメで撮ってから自宅で解読することになりますが、知識ゼロよりも少しでもあった方がいいです。

 

古文書勉強するのであればこれがいいです。

覚えておきたい古文書くずし字200選 」 柏書房 2001/11

覚えておきたい古文書くずし字500選 」 柏書房 2002/6

 

 

たったの200字覚えるだけで古文書の5割以上は読めるようになるようです、500字まで読めるようになればなんと8割

は正しく読めるようになるとのこと。

 

もしも、自宅た遠戚のお宅に古文書がある家は勉強してもよいかもしれません。

 

 

古文書にもチャレンジしてみよう

 

【自分の非力さを感じる】

先祖探し初期には戸籍謄本の取り方や内容の解読で非力さを感じます。

 

慣れてきても、遠戚のお宅へのアプローチの方法、行政への連絡の仕方で悩んだりします。

 

基本的に先祖探しをしている仲間は周りにいないと思いますので、孤独な作業になります。

 

孤独になると、尚更自分の非力さを感じてしまいます。

 

非力さを感じることは否定しません、逆に自信満々なのもおかしいです。

 

しかし、その非力さが謙虚な心を生んで、結果的に自分一人では順風満帆にいかないという事を気付きます。

 

そして、一人よりも同好の士を探すようになります。

 

今ではそのツールは多くあります。

●ツイッターやフェイスブックで投稿しながら同じ趣味を持つ方と交流。

 

●ブログをして情報交換を行う。

 

●YouTubeなどで先祖探しを動画で流している方もいます。

 

これらを実施することで、今まで無い人脈も増えていきます。

 

日常生活では接点のない方でも「同好の士」として切磋琢磨し合い、励まし合うこともできます。

それらを通じて仲間が増えていくことは自分の人生をよりよいものにしていくでしょう。

先祖探しは仲間と一緒に!

 

【山城、神社、お寺に興味が湧く】

先祖のいたところには愛着が湧きますので、その土地の史跡にも興味が湧いてきます。

 

確実に先祖と関わり合いがあるので、当時を想像することもできます。

 

 

 

地元の城跡ではひょっとしたら、戦で籠城した中に先祖がいたかもしれません。

 

その田舎で先祖が「江戸時代に庄屋をしていた」、という伝承があれば、戦国時代は城主や家老だった可能性もあります。

 

そうなると、その城の歴史、城主、主な戦、主君は誰なのか?城の構造、などに広がりが出てきます。

 

地元の寺はどうでしょうか?

 

近隣にはお寺は1つではなく2つあるかもしれません、昔はあったが今は廃寺になって無くなった寺もあります。

 

そのようなお寺を1つ1つ丁寧に調べていくとその地域の歴史が深耕できます。

 

例えば、開基した人物は?大檀那は?ずっとこの場所にあったのか?など調べることは多岐に渡ります。

 

お寺の中には大檀那の位牌や住職の位牌などもありますし、先祖が寄進した絵があるかもしれません。

 

 

地元の神社も同様です。

ご先祖様が寄進したものがあるかもしれません、曽祖父や高祖父の名前が彫ってある、玉垣などが残っているかもしれません。

 

鳥居に名前が彫ってある例

 

また、神社の由来を調べてみると、その歴史やなぜこの場所に鎮座しているのか?元々はどこにあったのか?なども調べる過程で判明します。

 

八幡神社の場合は先祖が武運長久をお祈りしていたかもしれません。

 

自宅に自家専用の神社がある家も存在します。

 

その場合はなぜ自家専用の神社があるのか?経緯は?をしらべると思いがけない事実が判明場合もあります。

 

自家専用の神社

 

神社も明治時代に一緒に纏められています。

 

ウィキペディアには以下の記載があります。

神社合祀

神社の数を減らし残った神社に経費を集中させることで一定基準以上の設備・財産を備えさせ、神社の威厳を保たせて、神社の継続的経営を確立させることにあった。また、教派神道は宗教として認めるが、神社は宗教ではなく「国家の宗祀」であるという明治政府の国家原則(宗・政・祭体制)に従って、地方公共団体から府県社以下神社に公費の供進を実現させるために、財政が負担できるまでに神社の数を減らすことにもあった。

 

ということは、明治時代に合祀された神社も村には残っているかもしれません。

 

それらもくまなく調べるのがまた、地域の歴史を調べて、ひいては先祖を調べる醍醐味です。

 

 

【石高、その他の農作物、別の仕事があったのか?】

江戸時代の村の石高を調べるとその村にどの位の人口がいたか分かります。

 

詳しくはこちらに記載。

江戸時代の石高から村の状態を知る

簡単に説明すると石高は日本歴史地名大系か旧高旧領取調帳データベースの検索

にて判明します。

 

そこから、例えば258石と分かれば以下の仮説が立てられます。

 

【仮説】

●江戸時代1人に付き1年間で1石消費すると言われている。

 

●江戸時代は4公6民と言われている。

 

●江戸時代の1世帯の人数が不明だが、仮に6人平均だとする。

 

●258石の6民で155石が村の取り分

 

●155石÷6人=25世帯

 

●農業だけでなく、農閑期などは別の仕事にも従事している可能性もあるのでもう少し世帯数は増えると想定。

 

30~35世帯くらいが江戸時代のこの村の世帯数ではないか?

 

と推測。

 

実際には角川の地名大辞典などに明治時代の戸数・人口が記載されているので、大幅にずれていなければ、問題ないと思います。

 

その他農作物や別の仕事があったかは、日本歴史地名大系や角川の地名大辞典に記載されている場合や、江戸時代に書かれた地誌に記載されている場合があります。

 

●冬の農閑期には出稼ぎに行って収入を得る。

 

●タタラ製鉄などで、炭作りに従事、または牛馬を使った輸送に従事。

 

●薬草を栽培して、それを売り歩く。

 

このようなことを調べることにより、その地域でひたむきに生きていった先祖が分かるのと同時に、江戸時代の特産、産業にも詳しくなります。

 

このようにして、1つ1つに興味を持ち調べることで、先祖の土地に詳しくなり、ひいては愛着も湧きます。

先祖探しを通じた郷土が好きになるます。

 

【深掘りするようになれば大学教授に連絡をとる】

ここでいう大学教授とは専門家と言い換えてもいいかもしれません。

 

調査が進めば進むほど、謎が深まってきます。

 

●ここにいた地侍は戦国時代に滅ぼされたが、どのような経緯で滅ぼされたのだろう?

 

●城の造りがどうもこの地域の一般的な作りとは違うが、別の勢力が扶植したのだろうか?

 

●お墓の形態に疑問を持っている、宝篋印塔の形から鎌倉末期なのか?室町中期なのか不明。

 

●お寺の造りが興味深い、構造上いつ頃再建されたか確認したい。

 

●長年、川の氾濫があったが、昔と今ではその流れが違っているのではないか?

 

など、疑問は次から次へと出てきます。

 

当然、自分で調べられるものは調べていきますが、限界に行き着いた場合は、専門家にご教示頂くことも出てきます。

 

そのような場合は自分の調査した内容をまとめて、ここまでは調べたがこれ以上が分からないのでご教示して欲しいと連絡してみましょう。

 

あれ?これって遠戚に手紙を出す、お寺に手紙を出すのと同じ感じでは?と思ったあなたは、勘が鋭いです。

 

そうです、結局、分からないものを知ろうとすれば、自分で可能な限り調べて、それでも分からないので教えて欲しいという誠意が必要になってきます。

 

あまり調べていないのに、教えて欲しいと言われても、先方も忙しいので相手にされません。

 

しかし、熱意ある調査レポート、それにここまで調べたという実績、これらを提示することで、先方の方も心が動かされて、少しアドバイスを頂くことになると思います。

 

結局は人と人との関わり合いのなかで、調べていきますので一番重要なのは一生懸命さになってきます。

 

これは、調査の過程で大学教授とやりとりを行い、いただいた資料です。

 

 

【まとめ】

●先祖の土地に興味わくことによって、よりその地域の歴史地理にくわしくなる。

 

●古文書読めないことに気づき自家にある古文書を読むために勉強をしはじめる。

 

●自分の非力さ感じることにより、仲間をさがし結果的にお互いを高め合うことができる。

 

●山城、神社、お寺に興味わくことにより→地域の遺跡にも造詣が深くなる。

 

●さらに深掘りするようになれば大学教授などの専門家に連絡を専門的な知識を求めるようになる。

 

結果:先祖の住んでいた地域のことに詳しくなり、更に郷土愛も深まる。

 

公開日2020/08/22

更新日2021/09/12

ホームへ戻る

サイト一覧