はじめに
今までのなかで一番先祖探しで時間が経過したケースです。
第1段階
まずは、このお墓を確認してください。
左のお墓に関しては私の5代前の先祖になります。
私の父の母の父の父の両親です。
また、小さい墓に関しては曽祖父の兄と伝えられています。
まだ、物心つかない、小学校低学年の頃から当たり前に盆や彼岸に墓参りをしていました。
その時の祖母や父の話では、
●当家のお墓で一緒に祀ってあるお墓。
●古いお墓である、しかし、当家は江戸末期に初代「小之平」がこの村に来たとの伝承があるのでそれ以前に先祖はいない。
●恐らくであるが、この「小之平」は独身でこの村に来村してその村の娘と結婚したのではないか?
●そして、その家のお墓がこれではないか?
●昔は村の下役人のようなことをしていたのかもしれない。
●戦前には家に刀や籠などがあった。
という話でした。
まず第1段階として、毎年お墓参りをしておりました。
第2段階
大学生になり本格的に先祖探しを始めたころ、毎年墓参りに行っているが、よくよく考えたら詳細に調べていないと思い詳細調査を実施。
そうしたら、実は多くの文字が彫ってあることを発見!!
享保二酉夭七月廿三日 1717 繹道意信士 好之丞
延享四卯夭五月二日 1747 繹尼妙秀信女 善助
空白 釈氏空岸信士
享保十九夭寅十日遡日 1734 釈尼冷元信女
分かる範囲でこのような感じでした。
このように古いお墓が当家にあるというのが改めて驚きました。
しかし、この時はこれで終わりました。
理由は
●当家縁のお墓といってもどのような繋がりがあるか不明。
●仮に当家縁のお墓だとしても1700年代のお墓であって1800年代のお墓が無い
※100年以上空白があるのでその空白を物理的に埋めることが出来ない。
●彫ってある文字から禅宗ではなく浄土真宗である、祖母の実家は禅宗であり、浄土真宗のお寺は村にはない。
●ひょとしたら江戸時代にはこの村(若しくは近隣の村)にも浄土真宗のお寺があったのかも知れないが廃寺になったのだろう。
ということで、第2段階が終わりました。
ここまでで既に15年位経過しております。
なんとも思わないのでそのくらい経過しているという事例ですね。
第3段階
時は更に経ち第2工程から約20年経過しました。
別件で別の先祖の調査の為に別のお寺に確認するお手紙を書きました。
その時に追伸で以下の内容を記載しました、
●この村に浄土真宗のお寺は無いが、近隣では●●寺様が近くである。
●万が一でもお寺の過去帳に記載した法名がないか調べて欲しい。
返信していただきましたが、やはり当寺の檀家ではないとのことでした。
そこで、やはり禅宗のお寺ではなく浄土真宗のお寺に確認しないといけないと思い、この村から一番近い浄土真宗のお寺に手紙を書きました。
何故そのお寺があるのか分かったのは、実は別の先祖の菩提寺が浄土真宗であり門徒であったからです。
まずはそちらにお手紙を送りましたが、結論「当寺では無い」との返信を頂きました。
お寺からの回答は
●お寺の戒名の中には記載を見つけることが出来なかった。
●「釋」という文字があるものの、法名に使われている文字から受ける印象は私共の持っているものとは共通しない感じがあり、法名が生まれた背景が違う気がする。
この村からお寺までは15キロ以上あり通常で考えると流石に遠いと思いやはり江戸時代に廃寺になった可能性があるのかと半ば諦めました。
これが昨年の秋の事です。
第3段階までで既に35年以上経過しておりました。
第4段階
今年になり、よくよく考えれば、浄土真宗のお寺はそこだけではなく、別のところにもあるのではないか?
自分の固定観念で1つのお寺しか思い込んでいないか?
という疑問がわき起こってきました。
最初の浄土真宗のお寺は南に15キロ行った町のお寺ですが、西に10キロ行ったところにも別の町があります。
ただし、現在でも町が違いますが当時でも行政範囲が違いますので、そのような行き来もあまりなく、行くのに山を越えないといけないところのお寺を菩提寺にするかと思い、自分の中で葛藤がありました。
●そんな全然違うところで江戸時代山を越えていくような町の菩提寺な訳がないよな。
●いやいや先祖は1700年代初期からいる、しかもお墓も立派で伝承として刀や籠あると聞く、実はこの町の役人の家では?
このような葛藤の中で色々考えておりましたが、コロナ禍もあり、駄目元で手紙を書いて見ようと思い3つのお寺に投函しました
実際には7通出しております。
【内訳】
3通はお寺
1通は同姓調査
3通は母方調査
寺は300年前
同姓調査は400年前から200年前
母方は150年位前
七通の手紙書きました pic.twitter.com/ZMSrg0hcwB
— 先祖探し 悠久の時を越えて (@gosenzo2) May 13, 2020
そこで返信を待ったところなんと3つのお寺から返信がありました!!!
結果は当寺の檀家では無いとのことでした・・・・・
残念ですが、やれることはやりました。
しかし、返信のハガキの中で「この町では無く別の町にも浄土真宗のお寺があるのでそちらではないか?」と記載されていました?
えっっっっ別の町って、最初に手紙を出した町ではないか!!!
まさか、浄土真宗のお寺が他にもあったなんて盲点でした・・・・
そして再度紹介されたお寺に手紙を出します。
手紙もう一度出します。 pic.twitter.com/VKvJaYTvfr
— 先祖探し 悠久の時を越えて (@gosenzo2) May 20, 2020
ここまでで既に第4段階が完了です。
第5段階(最終段階)
このお寺に手紙を書くときには「●●寺様の紹介で」ということをきちんと記載して送りました。
その結果、まさかの「当寺の檀家のようです」との返信がありました!!
35年以上経過しての判明でした!!
よく考えると大きな町なので浄土真宗のお寺が1つだけしかないとの思い込みが視野を狭くしていました。
結果的判明したことは、
●先祖の菩提寺が判明。
●法要がお墓に彫ってあるものと過去帳では違う。
●お墓に彫っていなかった没年がお寺の過去帳で判明。
ということでした。
大きな進展でした。
【まとめ】
●先祖のお墓で菩提寺が分からない場合は近隣のお寺に手紙を送る。
●それでも不明な場合はその範囲を広げる。
●念のため宗派が違うところも手紙を送る。
●お寺からこのお寺ではないか?という返信がされる場合もある。
●町単位の場合は同じ宗派のお寺が1つとは限らない(2つ以上ある可能性も高い)
公開日2020/06/06
更新日2021/08/09