はじめに
先祖調査のセオリーとして、最初に戸籍がありますが、その戸籍が空襲や火事で焼失した場合は明治時代で既に調査がストップする場合があります、都心の場合はその損失が顕著に表れます。
それでも、位牌やお墓や過去帳などがあればまだ、遡れる可能性もありますが、それも無い場合は万事休すとなります。
また、空襲でなくても明治初期の廃仏毀釈で菩提寺だったところが廃寺になり貴重な過去帳が混乱で散逸したケースもあります。
この場合は、近隣の同宗派に万が一でも残っているかもしれませんので確認をする必要がありますが、遡れたというケースは難しいようです。
そこをクリアーしても江戸時代に、何回か火事にあって過去帳が焼失している場合もあったり、川の近くでは洪水で流されたという話しも聞きます。
このように、資料がどうやっても手に入らないケースもあります、伝承や資料がない場合はどうにもなりませんが、分る範囲の一番古い先祖からしっかりと調査していき重厚な由来書を作成してみてはどうでしょうか?
年代にもよりますが、自分で4~5代目くらいになるのではないでしょうか?孫や曾孫にそれが伝わったら7~8代まで分る資料となります。
先祖の詳細名人物像や当時の生活、住んでいたところの歴史や風土も含めた由来書になればその価値は計り知れません。
長年調査をしていると、ひょんなところから新しい資料がでてくることもあります、それが仮に僅かな情報でも子孫にとっては貴重な情報になります。
普通に考えるに、私達を起点にして4~5代前の事を詳細に記している由来書を持っている家は僅かだと思います。
残念な結果で遡ることが難しくても、ライフワークとして取り組んでいけば、その姿は子どもや孫、または甥や姪にも伝わっていくのではないでしょうか?
そんな子どもや孫が年を取った時に自分が作成した資料が宝物になってきます。
そう思って、コツコツと調査を行いながら、先祖の肉づけをしていき、子どもや孫や甥や姪の為にやっていくとやりがいも生まれてくると思います。
自分の苗字の家が先祖全てではない
また、自家だけでなく、直系尊属を調査することになれば、もっと遡れる家も多くあると思います。
先祖は2の2乗で増えていきます。
母方の先祖を調べている方も多くいますし、母の母系統を調べている方、父の母系統を調べている方など特別な思い入れをしている家系に注目して調べている場合もあります。
私の場合は全系統を全て調べておりますが、色々な発見があり、勉強になります。
遺伝子的には全ての先祖の遺伝子が入っています(養子除く)。
養子の場合は、遺伝子で気にはつながりはありませんが、その家の家風や考え方などを継承しておりやはり今の自分の人格形成に一旦を担っています。
なので、先祖が全く遡れないのでもういい、というよりも、他の系統はどうなのか?と調査範囲を広げていくことをお勧めします。
ひょっとしたら、自分と同じような性格や体格の先祖がいて驚くかもしれません。
まとめ
①戦争で戸籍が明治頃までしか遡れない場合がある。
②明治の初期に廃仏毀釈で過去帳が散逸している場合もある。
③更に、江戸時代はお寺も火事や洪水が多々有り、過去帳が残っていないケースも多い。
④そんな時は分る範囲の先祖からしっかりと由来書を作成していき肉づけをしていく。
⑤子どもや孫、甥や姪に伝えられたらそれは貴重な資料となり得る。
公開日2019/06/18
更新日2021/07/23