はじめに
干支は皆さんご存じだと思います。
十干十二支といいます。
十干
甲:訓読みは「きのえ」 音読みは「こう」
乙:訓読みは「きのと」 音読みは「おつ いつ」
丙:訓読みは「ひのえ」 音読みは「へい」
丁:訓読みは「ひのと」 音読みは「てい」
戊:訓読みは「つちのえ」 音読みは「ぼ」
己:訓読みは「つちのと」 音読みは「き」
庚:訓読みは「かのえ」 音読みは「こう」
辛:訓読みは「かのと」 音読みは「しん」
壬:訓読みは「みずのえ」 音読みは「じん」
癸:訓読みは「みずのと」 音読みは「き」
十二支
子:訓読みは「ね」 音読みは「し」
丑:訓読みは「うし」 音読みは「ちゅう」
寅:訓読みは「とら」 音読みは「いん」
卯:訓読みは「う」 音読みは「ぼう」
辰:訓読みは「たつ」 音読みは「しん」
巳:訓読みは「み」 音読みは「し」
午:訓読みは「うま」 音読みは「ご」
未:訓読みは「ひつじ」 音読みは「び」
申:訓読みは「さる」 音読みは「しん」
酉:訓読みは「とり」 音読みは「ゆう」
戌:訓読みは「いぬ」 音読みは「じゅつ」
亥:訓読みは「い」 音読みは「がい」
これらを組み合わせた表が十干十二支の表となります。
現代においては、干支は年賀状で動物の絵を挿入する位しか日常生活ではお目にかかる事はありませんが、戦前以前に日常に深く浸透していました。
1甲子ですがあの甲子園です、大正13年(19243)に出来たからです。
5戊辰は戊辰戦争で慶応4年(1868)が戊辰でした。
7庚午という地名がありますが、明治3年(1870)に干拓が行われました。
9壬申は壬申の乱(673年)や壬申戸籍が明治5年(1872)に出来ました。
21庚申は庚申信仰として有名です。
42乙巳の変(645年)大化の改新は最近では乙巳の変と呼ばれています。
48辛亥革命(1911年)が辛亥の年だったので。
先祖探しのなかは、位牌や墓には干支が記載されていたり、彫っていたりするものです。
具体例
神社の鳥居にも干支が彫ってあることが多いですので先祖が住んでいた地域の神社などに干支が彫ってある場合にも書き留めておきましょう。
このように、調査で干支がある場合は省略せずに、きちんと記載をしていくことが重要になります。
明和2年(1765)は酉年だったことが分かります。
神社の鳥居に彫ってある年号
正徳4年(1714)は申年であったことが分かる。
天明6年(1786)は丙午だと分かる。
この干支が役立つのは、お墓での調査です。
お墓の年号は摩耗して見えにくくなっているケースが多くあります。
例えば
文■四年 巳 とあれば 文政四年になり文化四年ではありません(文化四年は卯です)
他にも
寛■三年 亥 とあれば 寛保三年になり寛延三年ではありません(寛延三年は午です)
このように年代の特定にも干支は役立ちます。
干支には一覧表にしている先祖探しのフォーマットの表を利用すれば便利です。
日常で干支を意識して生活していませんので、目につきませんが、意識して見ると案外いろんな所で使用されています。
先祖探しの調査でも意識して見るのと、見ないのでは入ってくる情報量と情報の精度が変ってきます。
神社の鳥居などでは必ずといって良いほど十干十二支が彫ってあります。
私もお墓に彫ってある年号が分らないが干支を頼りに自宅に帰ってからよくよく確認したら、特定できたというケースが多くありました。
※年号は風雪で摩耗していても、年号の漢数字の部分と干支の部分の組み合わせで解読できることがよくありました。
【まとめ】
●戦前は干支が生活の中に浸透していた。
●特に位牌やお墓に干支が記載や彫ってあることも多い。
●年号が不明瞭な場合でも干支の記載があれば、そこから特定することも可能。
公開日2019/06/15
更新日2021/07/18