お寺の過去帳について
実家の過去帳、位牌、お墓の調査が完了したら最後の砦がお寺の過去帳になります。
しかし、これは全てのお寺で可能ではありませんし、プライバシーの問題や個人情報の拡大解釈などでも閲覧は相当ハードルが高いものと思われます。
しかし、住職様に事情を説明して誠意を尽していけば、住職様自身が該当部分を確認して頂けることは可能だと思います。
具体的なやり方として
●自家若しくは親戚の紹介で寺に相談をしに行きます。
※ここでのお寺とは日頃からお付き合いのある菩提寺のようなお寺で住職も私達のことを檀家として認識しているお寺です。
●自家は直接、親戚の場合は親戚からお寺(菩提寺)に過去帳の閲覧若しくは先祖の戒名を抜き出して頂く依頼を実施。
※遠戚から許可を得てお寺には「親戚の●●様から許可を得て依頼させて頂いております」と説明しましょう。
注:住職のお考えもあります、「檀家のプライバシーに関わる」と難しい場合は、時間がかかってもいいので、自家の先祖のみ書き出して頂くように依頼を行います。
当然閲覧、若しくは抜き出しをして頂く訳ですので「志」として謝礼(1~3万)が必要です。
お寺の過去帳を拝見させて頂くまでの流れ
●自家の位牌、過去帳、お墓から先祖のデータを集める。
※本家がある場合は本家の先祖も全て網羅する。
●データを一覧表に入力する。
イメージ図
エクセルの表を添付します。
寺の過去帳調査
お寺に行く時間は、昼過ぎがいいでしょう。(午前中や夕方は何かと忙しいものです)
また、盆や彼岸などを避けるのも望ましいです。
出来れば土日は法事などで予定が詰まっている場合もありますので平日の方が対応しやすいと思われます。
実際に過去帳を見せてもらって、書き写す場合はかなり時間がかかります。
更に住職様と話をすると、2,3時間はすぐに経ちます。
1まず、志を包んでいきましょう。(1~3万円くらい)
2「忙しいので見せられない」「プライバシーの問題がある」と言われたら、
「過去帳から自家の先祖のみ抜き出して頂けないでしょうか?」
「過去帳を作成して頂けませんか?」
とお願いしましょう。
もしも抜き出しを快諾して頂いた場合には謝礼をお渡しましょう。
謝礼を出せばこちらの誠意も伝わります。
依頼したあとは、ゆっくり待ちましょう。
過去帳は2つのパターンがあります。
1日から31日で記載されているパターン。
1月から12月で記載されているパターン
このように日付の中から、私たちの先祖だけをピックアップするのですから、相当時間のかかる作業です。
その為、過去帳を依頼したら1年位は待つくらいの余裕が必要です。待つ間に手紙を書いて、近況報告をしましょう。
ここで重要になってくるのが屋号になります。
江戸時代には過去帳に苗字の記載がありませんでした。
そこで、当時は屋号で家を判別していました。
苗字=屋号
という認識でしたので屋号が不明の場合はお寺に依頼をしても判別が難しい場合があります。
しかし、判別する方法もあります。
それは自宅で判明している江戸時代の先祖の戒名(法名)が判明すれば、過去帳で該当する先祖を確認して屋号も判明出来るということです。
屋号が判明出来れば、後は過去帳を遡りその屋号の方をピックアップして頂ければ遡れます。
田舎の旧家の場合は1700年代後期から1800年代初期頃の先祖の戒名(法名)が判別することも不思議ではありません。
しかし、お寺の場合は上手くいけば1600年代後期から記載されている場合もあります。
この1600年代後半から1800年代前半の150年間の記載があるかもしれません。
代数にして4~5世代です。
自家で調査の限界から更にここまで遡れることも実際にあります。
お寺の過去帳の始めは概ね1600年代後半からになります、江戸時代の檀家制度の確立と実際の運用が丁度この頃から始まった為です。
もしも、それよりも古い過去帳の記載がある場合は、そのお寺の大檀那の場合や戦国時代の地侍一族の可能性が高いです。
なかなか自分の家と繋がることは無いかもしれません。
さあ、過去帳から抜き出した戒名表が出来ました。
ここで、出来た過去帳が余り記載のないものでも(明治以後の記載しかなく、全部知っていたとしても)不満に思ってはいけません。
江戸時代は電気が無かったため、蝋燭の失火で火事になることがよくありました。
※多くのお寺では江戸時代に1回は火災に遭っていると考えて下さい。
そうなると、過去帳も無くなっていますので、火災以降の過去帳しか残っていません。
過去帳は住職が貴重な時間を割いて作って下さったものです。
過去帳を受け取ったら必ず感謝の手紙を書きましょう。
※住職との縁を大事にしておけば、何か分からないことがあっても以降スムーズに聞けます。
お寺の過去帳も日毎のものと、経年で記載されているものもあります、お寺で違うと思われます。
お寺への依頼は何回も出来ることではありませんので、こちら側の準備も大切になってきます。
閲覧出来た場合は、私達が簡単に把握できるような表の作成、または住職様が抜き出しをする場合(過去帳を作成する場合)などは尚更、確認しやすいよう上記の表を活用して漏れがないようにしておくことをお勧めします。
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