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昔の戸籍には族称が記載されていた

Valiphotos / Pixabay




はじめに

明治5年、明治19年、明治31年、大正4年戸籍には実は族称が記載されていました。

 

戸籍の歴史「明治5年の壬申戸籍から平成6年版戸籍まで」

 

私達が今請求して発行される戸籍には塗抹されており分りませんが、明治19年戸籍をよくよく目を凝らしてみると、空白になっているところが散見されませんか?

 

特に氏名の上には空白があると思いますがそこに実は「族称」が記載されていました。

 

また前戸主の欄が2つに分かれていますがどれを見ても右の欄は空白になっていると思いますが、そこにも族称の記載がありました。

 

族称とは「平民」「士族」です、極々稀に「華族」もあったかもしれません。

 

日本人の90%以上は農民か商人、職人になりますので、大部分が「平民」の記載ですが、武士だった家ではここが「士族」になります。

こんな表になっていました。

 

画像例

 

 

現在発行された戸籍では氏名の上に空白があるが、この部分に実は「族称」が記載されていた。

 

完全に塗抹されているので現在では伺い知ることは出来ません。

 

 

 

前戸主の右の欄も実は族称の記載がありました。

 

そこに昔は族称の記載があったという目線で戸籍をみると、見方も変ってきます。

 

明治31年と大正4年の戸籍にも同様に「前戸主トノ続柄」の欄の右が空白になっており、そこが族称欄になっておりました。

 

昭和43年民事局長通達

上記戸籍は昭和43年の戸籍でしたが、この頃に問題が発生して族称の記載を塗抹していったものと考えられます。

 

昭和四三年三月四日付民事甲第三七三号民事局長通達

昭和四三年三月二九日付民事甲第七七七号民事局長通達

先祖探しの調査で自家若しくは親戚宅にて族称が塗抹していない戸籍があれば、画像に撮るかコピーをさせて頂きましょう。

 

新しい発見はありませんが、貴重な戸籍の記載で、しかも現在では存在しないものになります。

 

因みに昭和40年代以前はコピーで白黒ではなく、青い紙で存在していると思います。

 

旧家で戸長をしていたような家の場合は壬申戸籍の控が存在していることもごく稀にあります。

 

念のために親戚(遠戚)の家に伺った時には古い戸籍がありませんか?と確認してみましょう。

 

まとめ

①戦前の戸籍には族称の記載があった。

 

②明治19年戸籍では名前の上に空白がある場合そこに族称の記載があり、明治31年や大正4年では「前戸主トノ続柄」の右の空白が該当する。

 

③昭和43年以前にコピーされた戸籍には族称の記載があるがそれ以降は塗抹されており現在は分らなくなっている。

 

④貴重な資料になるので、親戚や遠戚のお宅に訪問した際には念のため「古い戸籍がありませんか?」と確認してみる。

 

更新日2019/06/22

公開日2021/07/23

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