はじめに
先祖探しの醍醐味は古老の話を聞いてみる亊です。
古老とは自分の親戚もいますが、ここではその地域の年長者のことも指します。
特に90才以上の古老の話しは興味深いものがあります、丁度戦時中が物心ついた頃ではないでしょうか?
そうなってくると、まら高度経済成長の前ですので、開発以前の村の原風景なども詳細に語っていただけます。
「あの地域に行くには道が狭くて往生した」
「あの家の誰々は昭和30年頃までいたが昭和38年の豪雪で家族ごと町に出た」
とか
「戦後すぐは燃料がなくこの辺りの山はハゲ山になっていた」
「昔のおやつははったい粉でつくったもの」
などです。
その中でも特に、自家のことを聞いてみましょう、どのような家だったのか? 親戚関係は? どの家と交流があったのか?
エピソードはないか? お世話にあった家(お世話をした家)など
自分の家の方ではないので違う目線を持っているかもしれませんし、両親や祖父母のなかでは当たり前すぎて話しにもならないことでも、実は知らないことがあります。
具体例
私の地域は「かなおや」「かなご」という風習がありました。
※疑似の親子関係で盆正月には本当の子どものように自宅に伺いますし、農繁期には手伝ったりします。
私の場合、古老から聞いたら、
「お前のじいさんと、あそこの●●はかなおや、かなごの関係だ」
とか
「確かじいさんのかなおやは●●だった気がする」
とか今まで全然知らない風習などを聞いて驚いた経験があります。
そうなると、その親子関係が何故出来たのかを調査することになります。
今考えると烏帽子親のようなものだったのかもしれません。
因みに調べてみると私の祖父の「かなご」に当たる人物は、祖父の姉の孫(私の二従兄弟)でした。
本家以外の親戚が来ないなか、この方は毎年盆正月、彼岸、田植え、稲刈りの時に必ず自宅に来られていました。
今では無い風習ですので貴重な情報でした。
また、違う古老には村の歴史を聞かされました。
●昔はこの場所に神社があったが大正時代に現在の土地に移動した。
●この辺りには五輪塔の残骸が多くあったが、一つに纏めた、しかしそれも今ではどこにあるか分らなくなった。
●この場所は昔川底だったので、井戸を掘っても砂しか出ない、水が出なくて困った。
●あそこの家の屋号は「小寺」で大昔は浄土真宗の寺があった。
●自分の家とあそこの家は親戚であった。
●弓田と呼ばれる場所があるが昔弓を放ったが城まで届かずこの場所に落ちた為にその地名になった。
など。
これも直接自家と関わりの無いことかもしれませんが、詳細に調べていくと、先祖の生きていた時代が生き生きとしたものとなります。
1つ1つの伝承は点の話ですが、数多くの伝承を網羅的に集めることで、その村やその家の実像が表れてきます、まるで浮き上がるように。
その場合はグループごと、年代ごとに分ける必要があります。
家毎、地域毎で分ける、江戸時代以前、明治から戦前まで、戦後というように電台で分ける、などが挙げられます。
そうすることで、新しい発見もあれば、矛盾している点も出てきます。
その為には多くの伝承に当たることが必要になります、地域では多くの古老に確認する、可能であれば住職や神主または庄屋の子孫などに確認してもいいかもしれません。
親戚の場合は、近しい叔父叔母から父母の従兄弟や祖父母の従兄弟など範囲を広げていく。
中心から円を描くように拡大していくイメージです。
情報収集したものは、エクセルやワードにまとめておき、時間がある時に1つ1つの伝承を確認してみましょう。
特に江戸時代以前の伝承の場合は尾ひれがついている場合もあります。
例えば、江戸時代は武士であった。
この例を調べていくと。
●武士であった。
●武士ではあったが、武士の家臣で陪臣であった。
●武士ではなく、武士に使える奉公人であった。
●江戸時代の話ではなく、戦国時代にこの村を支配していた土豪と苗字が一緒であった。
など調べていくことで新たな事実を発見することもあり、どこまでが本当で、どこまでが嘘なのかを自分で発見することが出来ます。
そのような事を通じてより先祖のことがより詳しく分かってくることこそが、本当の先祖探しだと考えます。
こちらもどうぞ。
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【まとめ】
●地元の古老にいろんな話しを聞くことが重要。
●聞く内容は「地元の亊」と「我が家に関わる亊」の2種類に分ける。
●特に親族に関わることは漏れなく確認する。
公開日2019/05/30
更新日2021/07/10