城データ

城名:末元城

別名:無し

標高:220m

比高:5m

築城年:不明

城主:不明

場所:広島県三次市西酒屋町

北緯:東経:34.785769/132.850264

末元城はここ

 

 

攻城記

見た目は小さなな竹藪にしか見えない。

隣には酒河小学校が隣接する。

内部に侵入。

石垣あり、ただし当時の石垣かは不明。

内部は削平地であり思ったよりも広い。

比高5mながら急峻さを感じる。

土塁か。

 

位置関係

推定宍戸氏、三吉氏領内

 

open-hinataより【末元城】

 

余湖図【末元城】

当時のイメージ図(余湖図コレクションより引用)

 

城の概要

 

最高所の郭には,北辺部に土塁が残る。西側尾根続きには堀切があり,北・南には小河川が流れており,城域を画している。

 

『広島県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用

 

城の歴史

酒屋の地には本城跡のほかに,砂脇城跡,寄貞城跡,末元城跡がある。

 

規模はいずれも本城跡よりも小さく,城主名も不明である。砂脇城跡は本城跡の南約300mの谷奥の中央部に位置し,周辺の水田から数m高く,細長く突出した地形を利用している。寄貞城跡は本城跡の南約500mの谷奥部に位置し,低丘陵の先端部を利用しており,城跡の背後に土塁と堀切がある。

 

末元城跡は寄貞城跡とは低丘陵を隔て,西側の末元の谷の谷奥部に位置し,周辺の水田よりもやや小高く ,長方形を呈する郭の南側に堀切があるほか,南側と西側に土塁がある。

 

これらの城跡は規模からみても土居屋敷あるいは屋敷城的な要素が強く,室町時代後半における社会情勢の激化,戦闘形態の変化に対応した機能をはたした城とは考え難い。酒屋の地は他氏による侵入を伝えていないことから三吉氏の所領であったとみられ, これらの諸城跡も三吉氏に関係するものとみられる。

 

諸城跡の築城の由来などは文献,伝承などがなく不詳であるが,少なくとも立地,形態などからみて,本城跡の築城以前にすでに存在していたとみられる。

 

なお, これらの諸城跡はその所在については伝えていることからすると,谷筋を水田経営の基盤とした土居屋敷あるいは屋敷城として当地の経営に当っていたほかに,見張りや伝えの城としての役割も有していたのであろう。

 

本城跡の築城については文献などがないため詳細は不明であるが,城跡の諸特徴からみて室町時代後半に比定されることは前述したとおりである。ところで江田氏が滅んだ天文22(1553)年以後においては,酒屋及びその周辺において寵城が可能な城が築かれた様子はなく,三吉氏の所領が旧江田氏の所領を併せて東方に拡大され,弘治3(1557)年の連署起請文案(毛利家文書225号)や,元亀4(1573)年の三吉隆亮,広高父子が毛利輝元に提出した起請文(毛利家文書328号)にみられるように,三吉氏は毛利氏に従うことによって周辺諸氏との関係も安定したことが窺われ,天文22(1553)年以後に酒屋の地に新たに城を築く理由は見い出せない。

 

また,天文10(1541)年三吉氏が尼子氏から離反した以後とすると,三吉氏にとっては,比叡尾山城と周辺の諸城及び尼子氏が侵攻してくる北方の要所に諸城を築き,防備を堅固にすることがもっとも重要になっていたと推定される。

 

すなわち,本城跡の築城を必要としていた時期は,尼子氏の勢力が後退していく時期ではなく,高橋氏及び毛利氏との間に争いと,尼子氏の進出によって県北部一帯の緊張が増幅した時期で,三吉氏にとって地理的な要地である酒屋の地を他氏の侵略から防ぎ,支配をいっそう強化する必要が生じたことによるものとみられる。

 

なお,酒屋の地における諸城跡は,天文22(1553)年の江田氏の滅亡と共にした新宮山城跡の例からすると,小規模ではあっても所領の支配のため,家臣や一族を配置し,存続して利用していたと推定される。

 

『三段田城跡発掘調査報告書』より一部引用。

 

所感

●城というよりは土居屋敷の様相を呈している。

 

●三吉氏の境目の城と思われ、西の粟屋村は以前は宍戸氏の所領だと思われるため、近隣と隣接するため見張りの役目もあったのではと思われる。

『毛利家文書134 135』

134で、宍戸駿河守跡(除秋町、粟屋等)とあり、135で宍戸安芸守が駿河守跡とあることから推測して、文明2年1470年当時この粟屋村は宍戸安芸守の領内であったと思われる。

 

これらと隣接する城として、見張りの役目をした館跡といったものか。

 

●外から見ると小さく感じるが中に入ると思ったよりも広く、石垣なども散見され、重厚感がある。

 

関連URL

【広島県】寄貞城【三次市西酒屋町】

【広島県】三段田城【三次市西酒屋町大久保】

近隣の城。

 

参考URL

三段田城跡発掘調査報告書

 

参考文献

『三段田城跡発掘調査報告書』

『日本城郭大系』13

『広島県中世城館遺跡総合調査報告書』

『広島県の地名』

『広島県地名大辞典』

『広島の中世城館を歩く』

『萩藩諸家系譜』

『毛利八箇国御時代分限帳』

『萩藩閥閲録』

公開日2022/03/19

 

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