kareni / Pixabay




はじめに

先祖探しをする場合段階をへながら進めて行きます。

 

今回は架空の家でどのようにするか考えてみます。

 

実施項目

①自分の身内(両親や祖父母、叔父叔母)からお話を聞く。

 

②戸籍の確認から一番古い先祖まで遡る。

 

③自宅や本家の位牌、過去帳、お墓の確認。

 

④お寺の過去帳からの抜き出し。

 

⑤もしも、自分の家が旧家若しくは伝承でも「この地方を治めていた家柄」とあれば市町村史も確認。

 

と5段階になってきます。

 

この時に頭の整理や親戚関係の整理をする時に、小まめに家系図を作成しながら進めていくと見えなかった関係や先祖が見えてきます。

 

家系図を作成してみよう

 

具体的に解説しましょう。

 

①自分の身内(両親や祖父母、叔父叔母)からお話を聞く

 

まずは、ここから始まります、両親や祖父母に自分の家の事を確認することからです、「ひい爺さんは大酒のみだった」、「ひいひい爺さんは苦労して、田畑を少しずつ買って土地を増やした」「ひい婆さんは産婆さんだった」など今まで知らなかった事実がどんどん出て来ます。

 

また、叔父や叔母に確認をすることも重要になってきます。

 

自分の父親は知らない事が実は叔父は知っていたりすることは多くあります。

 

この段階で出来るだけ遡りその兄弟や従兄弟、二従兄弟に繋がる家系図を作成します。

 

祖父母が健在の場合自分の叔父や従兄弟は私達からすると曾祖父母の兄弟姉妹になります。

 

この場合、家系図を作成することが重要になってきますが、家系図の人物の詳細も別紙でもいいのでメモ書きを書いておく事が必須です。

 

ここでの家系図とメモが今後の調査の柱になってきます、特に、遠戚へのアプローチをする場合にはどういう関係か分からないと伝えにくい部分があります。

 

ただし、人間の記憶ほど曖昧なものはありません、話しが違う場合や従兄弟だったのに従兄弟半だったということはざらにあります。

まあ、最初はこんな感じになると思います。

 

手書きでもOKなので、まずはどのような関係なのかを確認することが重要です。

 

②戸籍の確認から一番古い先祖まで遡る

 

身内の話が終わったら、次は戸籍の取得です。

 

遡れる一番古い戸籍まで取得しましょう。

 

戸籍取得では「遡れるだけ遡って下さい」と言い最古の人物まで遡っていきます。

 

そうすると、今まで聞いた事ない人物が沢山出て来ますので、第二段階として、戸籍で判明したそれらの人物を記入して行きます。

 

また、戸籍ですので生没年も判明しますので可能な限り記載します。

 

※傍系に関しては任意です、あまり文字が多くなると家系図が見にくくなるのでケースバイケースになってきます。

 

戸籍では、早世した人物も多かったり、実は曾祖父は3回結婚していたという事実が判明したりします。

 

それらを、1つ1つ確認しながら自家の家系図を再度やり直していきます。

 

※母、妻も記載しますが今回は割愛してます。

 

戸籍から作成した家系図で相当古いものまで遡れます、ここでは祖父の兄弟姉妹は何人か早世したことは判明しました。

 

また、高祖父は実は分家しており、本家があったことも判明(桜井好兵衛家)

 

※そうしたら、また祖父や父などにこの桜井好兵衛家のことを確認しなくてはいけません。

 

一番古い戸籍は桜井徳兵衛でしたは、そこには前戸主として桜井平次の名前が記載されていました、生没年は不明でも実際に存在した先祖になります。

 

戸籍でこの家系図を作成している時が一番楽しい時からもしれません。

 

③自宅や本家の位牌、過去帳、お墓の確認

 

ここまで確認してから仏壇にある位牌や過去帳に記載されている戒名を調べていくと①と②の家系図を自分で2回作成していますので頭に入っています。

 

頭に入っていることが重要になります。

 

さて、位牌やお墓には続柄が記載されていないものがあります、そうなってくると享年や行年で親子関係を推測しながら家系図を作成していくことになります。

 

※当然続柄が記載されている位牌も部分的にはあります。

 

また、俗名が記載されていないご先祖様も多くなってきますが、戒名も名前なので私の場合は名前として捉えています。

 

位牌や過去帳またお墓の中には江戸時代●●童子、●●童女というのが多くいます、幼い時に無くなった子どものことです。

 

又概ね15才以上の場合は禅定門、禅定尼や信士、信女ですので、大人になり独立や嫁に行く前に亡くなった子どももいると思われます。

 

これらのご先祖様をどこに繋がるかを推測しながら家系図を作成していくのが第三段階になります。

 

基本的にはここまでが一般庶民の限界になると思われます。

 

④お寺の過去帳からの抜き出し

 

極稀にですが、お寺の過去帳の抜き出しを依頼して、判明することがあります。

 

ただし様々な条件が揃わないと難しいです。

 

【条件】

●お寺が古い古刹で江戸時代初期には開基している。

 

●先祖が江戸時代初期からこの場所に住んでいる。

 

●歴代の和尚がきちんとおり無住ではなく、また過去帳を記載している。

 

●また、江戸時代を通じて火事に遭わず過去帳が無事現代まで保存さえている。

 

●和尚が好意的で過去帳から先祖の抜き出しに応じて下さる。

 

これらの条件が揃った場合で1680~90年頃に亡くなった先祖がぎりぎり過去帳に記載されているかいないかになります。

 

この例では上記の件を満たしたと仮定して1694年に亡くなった先祖が1名発見出来ました。

 

⑤もしも、自分の家が旧家若しくは伝承でも「この地方を治めていた家柄」とあれば市町村史も確認

 

先祖の伝承に「先祖は城主であった」とか「●●城のお殿様の家臣であったが戦に敗れて逃げてきた」という伝承がある場合、その土地の市町村史を確認すると案外詳しい記載があるかもしれません。

 

例)

戦国時代この地域を治めていた●●氏の家臣に桜井氏がいた、桜井氏は元は清和源氏の流れを組み南北朝の動乱期にこの地に下向したと伝えられている。

 

●●氏の家臣団の中では所領も多く家老としての地位であったが、関ヶ原の戦いに敗れ領地没収の際に帰農したと伝えられる。

江戸時代には庄屋として歴代の当主が地方行政の任に当たっていた。

 

などが発見できればその系統に繋がる可能性もあるという認識になります。

 

町史の中には家系図が挿入されている場合もありますので確認は必須です。

最後に

今回はかなり幸運でスムーズに遡れた場合で想定しましたが、家によって様々です。

 

●戸籍までで位牌やお墓があんまり残っておらず、江戸最末期の位牌が数点あった。

 

●位牌はあったが1840年頃でお墓はなかった。

 

●お墓はあったが戒名のみの記載で享年や没年不明。

 

このような場合はそのまま④番のお寺の過去帳に確認をする方法になります。

 

また、お寺が火事で焼けて過去帳が消失した場合は諦めざるを得ません。

 

また、上記の例は自家のみの家系図作成でしたが、自分の直系尊属を全て調べる場合には家系図で俯瞰してみることにより、だ実施できていない系統がないか?この系統はまだ遡れるのではないのか?を多面的に確認することが可能になります。

 

頭の中で分かっていても実際に家系図にすることで視覚化できてどこまで判明して、これ以上は不明なのか?まだ出来ることがあるのではないか?を発見できることも多いです。

 

最後に家系図をず~っと見ることで先祖に親近感が湧きます。

自分の祖父母や曾祖父母までは会っていたり、話しの中に登場しますので親近感があります、しかし、高祖父よりも古くなると名前すら知らない方ばかりになりますので、いまいちピント来ない場合が殆どだと思います。

 

しかし、家系図を作成して見ることで、親近感が湧いてきます。

 

没年を注意してみると、飢饉の時に亡くなっている先祖が多いのに気付かされます、先祖でなくても童子、童女が飢饉の時に亡くなっているのをみると、一歩間違えると、自分の直系尊属の先祖が飢えや災害で亡くなっていたかもしれません。

 

また、全系統の家系図を確認していくと、この1名でも欠けていたら自分はこの世に存在していないことが分かります。

 

生没年を確認すると、遅い時に出来たこどもの場合もあります、そんな時は両親が苦労して育てかもしれませんし、逆に跡継ぎが出来て喜んで育てたかもしれません、または両親が亡くなり、兄が自分の直系尊属である先祖の面倒をみたということもあります。

 

家系図を作成して1代でも遡るのも目的ですが、その1人1人にスポットライトを浴びて、どのような人生だったのか?を思い巡らせることも可能です。

 

家系図にはそのような視覚化して、先祖に対する想いを新たにできる効果も期待できます。

 

それが本当の先祖探しでもあります。

 

まとめ

①家系図作成には段階がありその段階段階で小まめに作成していく。

 

②家により先祖の情報情報の残存がまちまちであるが、自家の可能な範囲で作成していく。

 

③直系尊属の家系図の場合は家系図を俯瞰的にみることにより、まだ調査出来る家を発見できる。

 

④また、家系図をみることにより、先祖の1人1人に想いを巡らせることが出来る。

 

そんな素晴らしツールを自分で作成できるのはとても良いことだと思います。

 

公開日2019/10/22

更新日2021/08/08

ホームへ戻る

サイト一覧