自家の家紋はご存じですか?

 

家紋の歴史は古く、平安時代の公家の牛車に使用されていたようです、武家の時代には自家のシンボルとして用いられました。

 

江戸時代になると庶民も家紋に使用が増えていったようです。

武家の家では家紋は1つだけでななく、何個もありました(表紋 裏紋 替紋 定紋など)

 

毛利家の家紋 左が有名な「一文字三つ星」で右が替紋である「沢瀉」

 

家紋から先祖を調べる時にはまず、自家の家紋を調べてその由来を調査することから始まります。

 

また、親戚に由来などが無いかを確認してみましょう。

 

例えば、戦に勝ったので殿様から下賜されたということもあるかもしれませんし、逆に戦に負けて逃げた為に家紋を替えざるを得なかったなど、長い年月の間には分家をして遠くに出た家などは家紋がよく分らなくて適当につけた例もあります。

 

私の家もそのような例でした。

 

分家の祖父が墓を作成した時に分らなかったので適当に「剣片喰」にしました。

 

数年後本家が新しく墓を建てるので、分家である当家の家紋を参考にしたようです。

 

適当というのがどのような事を言っているのかは不明ですが、ひょっとしたら、高祖母の実家の家紋を使用したのでは?という話も聞いています。

 

大学時代に総本家の家に尋ねていったら、家紋は「五三の桐」でしたが、こちらもよく分からないので墓石さんと一緒に適当に決めたようです。

 

更に伝承のある峠の向こうの家を確認したら、「巴紋」でした。

そして、一族発祥の地のお墓を見れば「松皮菱」でした。

 

因みに私の苗字の代表的な家紋は「三階菱」のようです。

 

ということで、実は数年前に父親が田舎のお墓を現在住んでいる場所に移転をした時に家紋を「剣片喰」から「松皮菱」に変更しました。

なので本家と我が家の家紋が違うということになりました。

 

家紋の変遷

このように家紋も変遷します。

 

代表的な家紋は鎌倉時代まで遡ります。

 

一族発祥地の家紋が戦国時代以降のものと推測します。

 

別の場所に行った一族家紋は江戸時代と考察。

 

総本家の家紋は昭和に決めたようです、祖父が決めた家紋は昭和40年代、自分が数年前に家紋を変更しています。

 

因みに、一族発祥の地や別の場所に行った一族と当家との繋がりは証明出来ておりません。

 

というように、分らないから適当につけた例もありますし、変更した例もあります。

 

また、地方の寺や共同墓地内には旧家の同じ家紋で同じ一族の墓が多数ある場合もあります。

 

このような場合はかなり昔から、一族が繁栄してすこしずつ広がっている証左になります。

 

苗字が違っても家紋が同じ場合は、ひょっとしたら、同じ一族の可能性もあります。

 

特に珍しい家紋の場合は、同じものとつけるということは考え難い為、何代か前に分家した時に苗字を変更したが、時代が下がって誰もその事実を知らないということもあります。

 

本家と分家で苗字が違う場合

 

そうなってくると、その家と我が家と同じ一族ではないか?当家はそこから分家したのでは無いか?

 

という視点で調査をすれば新しい発見ができるかもしれません。

 

更に、西日本では女紋といい女性は女性で引き継ぐ(母から娘に)家紋もあります。

 

私の母の場合は「揚羽蝶紋」でした。

 

家紋の中には2つの家の家紋を1つにミックスしている場合もあります。

 

※養子が自分の実家の家紋と養子先の家紋を一緒にするなど。

 

上記の例では、実家の松皮菱の家紋に、養子先の家紋を合わせて1つの家紋にしているものがありました。

 

 

家紋は歴史も深く興味深いものが多いです。

何冊か本を読んで知識を深めていくとその後の広がりが出てきます。

 

家紋の辞典:千鹿野茂 監修 高澤等 著

各家紋の説明を記載、何紋なのか、図柄はどんなものなのか、使用家はどこか。

など。

350Pを超えるまさに辞典。

 

 

参考図書:【高澤等】家紋と名字【森岡浩一】

家紋と名字:高澤等 森岡浩一

 

家紋の大家である高澤等先生と名字の大家である森岡浩一先生の共著になります。

 

家紋、名字ともに古代から現代に至るまでの歴史がつづられており実に勉強になります。

 

家紋では初期(平安時代)の成り立ちと中期(室町時代)の発展と繁栄した江戸期などに興味深い内容が記載されています。

 

名字も同様ですが、武家につながる「藤原」姓の成り立ちと、公家につながる「源」姓の成り立ちは意外でした。

 

また、江戸時代でも名字を名乗っていた事例や明治時代の名字制度なども良いです。

 

後半以降は、名字ランキングや県別での名字の説明などもあり自分の名字や自分の県の名字などの見聞が広げられます。

 

最後に家紋名鑑として、様々な家紋の説明があります。

 

お値段の手頃なので自宅の家蔵本の1つとしてどうぞ。

 


図示 日本の家紋

 

別冊歴史読本

大判で見やすい、家紋の説明もあるが巻末に主要苗字5400家の家紋一覧が記載されているので自分の先祖の家紋が不明であれば確認してみましょう。

 

見て楽しい 読んで学べる 家紋のすべてがわかる本:高澤等

主要家紋はほとんど網羅しており見て楽しいつくりになっています。


 

イチから知りたい! 家紋と名字:網本光悦

家紋の歴史から由来、使われ方、名字の起源までスッキリわかる!

家紋と名字:網本光悦

●家紋、名字の歴史

●戦国大名等の家紋

●家紋図鑑

の構成になっています。


 

イラスト図解家紋:高澤等

各家紋の説明をおこなっています。

 

【まとめ】

●家紋は1つだけでなく、複数ある場合がある

 

●家紋は時によって変わることがある。

 

●旧家の家紋で墓に多数あれば、長い年月をかけて一族が広がっていった証左になる。

 

●苗字が違うが家紋が同じ場合は大昔同じ一族だった可能性もある。

 

●西日本では「女紋」と行って母から娘に引き継がれている家紋がある。

 

公開日:2019/5/25

更新日:2021/07/10

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